料理人の教育法(20)日本料理「悦善」・松村和善店主

2002.04.01 249号 15面

「当たり前のことしか言わないんです」と松村店主。だが、今の若者にとってその当たり前のことは、伝わらないこともしばしば。

「調理場は包丁もあれば、火も使います。気を抜いたらけがをするんですよ。だからうるさく言うこともありますね。厳しく言われたときには、言い訳をするよりも、どうしてそう言われるのかを考えて欲しいですね」と言う。

この道三二年、日々修業を積み重ねてきた松村店主らしい言葉だ。

「時代もあり、最近は給料や休みなどばかりをいう若者もいますし、世の中が優しさをはき違えていると思うこともあります。しかし、弟子に迎合する必要は全くないし、いつか自分の言葉が伝わると信じています」

覚えたいことがあれば、自己投資をするしかないというのも信条の一つ。仕事を覚えるのは、一朝一夕にはいかない。「いくつになっても好奇心を持ち、時間やお金や頭を使って学ぼうとする姿勢、やる気が大切」と言う。

松村店主自身、流行のファッション一つにも色づかいのヒントが隠れてはいないかと、常に何かを吸収しようと積極的だ。何よりも、その姿勢が弟子のこれからにつながっているのではないか。

◆日本料理・悦善=長崎市諏訪町四‐一三、電話095・825・0160

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