旦千花農園、冬でもズッキーニ「大江戸スカッシュ」を栽培
自然酵素農法による野菜栽培を手掛ける旦千花農園(東京都江戸川区、電話03・3680・1530)は、このほど夏野菜として人気の高いズッキーニ「大江戸スカッシュ」の冬期栽培法を確立した。
同農園は、「江戸菜」「大江戸大根」など数々のジャンボ野菜を育て上げ、料理界で着実にファンをつけているが、昨夏には一本で五〇〇~六〇〇gのジャンボサイズズッキーニ「大江戸スカッシュ」を誕生させた。
大槻一史社長は、引き続き「大きさの挑戦から、季節にも挑戦した」と言う。
昨年末、冬の温度帯に備えて完全暖房設備のビニールハウスを建設。地熱を上げるため土中にパワーヒートパイプを通し八五度Cの熱湯を流したり、ハウス内温度が一五度C以下になるとセンサーが察知し温風を送るシステムを設置した。
このシステム、土壌温度を上げるだけでなく、温度を上げることで病原菌に対する免疫力を高め、土壌の活性化をはかることができる。また連作障害も回避できるなどの効果もあるというもの。
ズッキーニは寒さに微妙に反応する作物だけに、温度管理の不備から何回かの失敗はあったが、大槻氏自身、納得のいく作物となったのは年明けから。
現在、一棟に一九〇本の苗。一本から七~八本のジャンボズッキーニを収穫できる体制を確立、三棟を管理する。
これらズッキーニは、ヒルトン東京ベイ「王朝」や第一ホテル東京シーフォート「グランカフェ」などでは東京の野菜としてオンメニューしている。
「大きいサイズながら身の締まりがよく、捨てるところのない歩留まり高い野菜。中華でも幅広く使える」(「王朝」宮本荘三料理長)など評価は高い。
アイデアマンの大槻社長。生食だけではなく、付加価値をつけたズッキーニの漬物にも挑戦。今春には、独得の歯切れのよさと深みのある味わいをもつ漬物として本格販売する。