ご当地カレー「札幌スープカレー」地元が支える2店:村上カレー店プルプル
札幌のほぼ中心街に「村上カレー店プルプル」がオープンしたのは一九九五年4月1日。その二年後に登場した「ナット・挽肉ベジタブル」は、ひきわり納豆と鳥のひき肉を使う変わり種メニューで、同店の一番人気となっている。
「二周年記念の、エイプリルフール冗談メニューだったのが気にいられて。また出してと何度も言われるので、仕方なくメニューに加えました」と店主の村上義明さんは笑う。「みんな納豆が好きなんだよね」
メニューはほかに、「チキン・ベジタブル」「キーマ・カレー」など全部で一〇種類。平日に約九〇食、週末に約八〇食を売上げ、「ナット・挽肉ベジタブル」はそのうちの三割ほどを占める。
カレースープに使うスパイスは一七種類。炒めた玉ネギにクミンやグローブなどを加えてベースを作り、スープと混ぜ合わせ、コリアンダーやフェネグリークなどで味を調える。スープは鶏がらをベースに、コンブ、煮干し、野菜を、ローレルやシナモンなどと一緒に八時間以上煮込む。
原価率は二六%前後。「スープカレーはあまり儲からない。だからさっさと店をやめる人も多い。当たり前の仕事をきちんとやらなきゃいけないから、それに手も抜けないし。ぼくはカレーが好きだから、ずっとやっていきたいと思う」と村上さん。
その気持ちが、昼食時に行列ができる同店の人気を支えているのだろう。
◆「村上カレー店プルプル」(札幌市中央区南二条西九丁目、ケンタクビル29地下一階、電話011・272・1190)営業時間=午前11時~午後8時、日曜祝日休/席数=二八席