地域繁盛店(福岡)ヘルシーメニュー編:ニューヨークヘルスキッチン
「ニューヨークヘルスキッチン」は一〇年間ニューヨークの日本総領事館で料理長を勤めたオーナーシェフが福岡に帰国し、一九九九年12月アメリカンフレンチの店としてオープン。アジアやフランス、アメリカ南部料理などさまざまな国の料理を取り入れつつ、ヘルシー志向が高いニューヨークの本場の味を気軽に味わえる店だ。
メニューはサラダやリゾットをはじめ甘海老のテリーヌ、合鴨のローストオレンジ風味など本格的な料理がそろう。もともと和食が専門のため、素材の味を生かした合理的でヘルシーな調理法がたくさんある和食の技を生かし、減農薬や有機野菜などヘルシーな食材を使って、おいしく体にやさしい料理を提供したいと、食材をはじめ調理法にもこだわりをもつ。
ヘルシーというと「薄味」とか「味気ない」というイメージを持つ人も多いが、ひとつひとつの素材の味を引き出す仕事をすることで、余計な調味料に頼らないヘルシーな料理が提供できるという。九州は醤油なども全国に比べ甘みが強く、一般的に濃い味が好まれる土地柄だが、健康に気を使う女性なども増えてきており、また単身赴任で野菜をあまり食べない男性なども「野菜を食べに」来店する。
◆ニューヨークヘルスキッチン(福岡市中央区大名一‐七‐八、電話092・724・5573)
◆ひと言 椛島浩二店主
もともと和食が専門で、素材をムダなく使い切る、自然で無理のない調理をするという和食の心で作る料理を心がけています。福岡は豚骨ラーメンや辛子明太子に代表されるように、結構味が濃い料理が好まれるけれど、手間ひまかけて、それぞれの素材の味を引き出す調理法で料理すれば、余計な調味料は使わずにおいしく食べられるということを知ってほしい。幸い私の考えに共感して下さるお客さまも増えてきてうれしい限りです。
●愛用食材 粟国の塩(平釜煮)
「料理は塩にはじまり、塩に終わる」という人もいるくらい料理において重要な塩。沖縄本島の北西の海上に位置する粟国島で作られたこの塩は、ミネラル分が豊富で、一般の塩独特の塩辛さが少なく、ほのかな苦みや甘みがあり、まろやか。ほかの塩に比べて価格的には高い塩だが、ごく少量でも、野菜など素材の味がぐんと引き立ちおいしく仕上がるので、余分な調味料なども必要ないことから結果的には経済的と考え愛用しているという。
◆(株)沖縄県物産公社/沖縄県那覇市旭町一番地、電話098・861・0738
◆ヘルスキッチンサラダ(860円)
サツマ芋やジャガ芋、ゴボウ、アスパラ、トマト、金時豆、栗など、旬の野菜を一八種も使ったボリュームたっぷりのサラダ。ニンジンは低温のオイルで揚げてじっくり甘みを引き出すなど、ひとつひとつの野菜の持っているうまみを引き出す調理法で、それぞれ下ごしらえされているので、野菜のひとつひとつの味をじっくり味わえるサラダに仕上がっている。普段は野菜を食べなくても、ここの野菜を食べにやってくるという人も多い。
◆菜園風リゾット(1200円)
野菜はサラダの材料を使い、残り野菜で作った野菜スープをベースに、ドイツのモッツアレラ、イタリアのパルメザン、オランダのグリュイエルの三種のチーズで仕上げた、チーズのコクやうまみが効いた一品。余分な調味料を使わず、おいしくするには、チーズや塩に「本物」を使うことだということから上述の三ヵ国のチーズを使用。野菜の彩りも美しく、滋味も豊かなリゾットに仕上がっている。