データで見る東京ディズニーランドの飲食シーン、10年間で1000億円投資、清潔感に定評

1993.04.19 26号 16面

パークは「ファミリー・エンターテイメント」を基本理念とし、それまでの子供のためのアミーズメントパーク(遊園地)とは全く異った新しい“テーマパーク”として出発した。来園者は大人(一八歳以上)が多いのが特徴である。初年度は大人比率が七二%あり、学校団体来園者を中心としてハイティーン層の増加もあり、徐々に大人の比率を減少させているが、開園五年時は六五%前後で安定した。

その後も、その傾向は続いており、大人も子供も楽しめる「ファミリー・エンターテイメント」という性格は堅持されている。男女比率は女性六五%、男性三五%と女性誘導型となっている。

来場者の感性に耐えられるように、この一〇年間新しいレジャー施設が一つ建てられる一〇〇〇億円に近い設備投資をしてきた。新規導入のアトラクションにも、またメンテナンスにも、手抜きをしない。

特にパーク内はオープン時の清潔さを保つため、「赤ちゃんが這っても安心なほどの清潔さ、ちりひとつないパーク」をめざし、その清潔さには定評がある。同パークでは一日一〇t強のゴミが出る。オープン時も清掃専門のアルバイト二〇〇~三〇〇人が自分のエリアを一五分で常に回るようにしている。パークが閉まってから燃えるゴミは焼却し、毎日、パーク内の大がかりな清掃を約二〇〇人で深夜から明け方にかけておこなっている。

東京ディズニーランドの魅力の核はディズニーの世界を実際に体験できるように立体化したところである。パーク全体を六つのエリアに分け、個々のエリアを“テーマランド”と呼び、アトラクションはもとより、レストラン、ショップ、そして樹木、ベンチやゴミ箱にいたるまでそれぞれのテーマにそって演出している。

一番注目されているのは、いつ頃、どんな形で“第二テーマパーク”ができるのか? ということである。同社の高橋政知会長は「造るなら、東京ディズニーランドを凌ぐもの。時代のテンポが速く、流動的な中で、何十年も人々の心に残る空間を創り上げたい」と抱負を語っている。

二つのテーマパークになると、これまでの日帰り中心から、二、三日の滞在型が増し、アーバンリゾートをさらに発展させ、質的にも変化してくる。

「まだ白紙の状態」(広報)というものの、水面下では第二テーマパークに向けて様々な計画が動き出そうとしている。

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