中華懐石繁盛店:「チャイナ梅の花」外苑西通店

2002.10.07 261号 2面

(株)梅の花チェーンが中華懐石「チャイナ梅の花」の展開に乗り出したのは三年前。佐賀県の佐賀大和店を皮切りに四店舗を出店。昨年暮れに横浜石川町店、今春に外苑西通店を出店。今後、首都圏を足場に多店舗化する意向だ。ここのセールスポイントは、料理一一~一二品で三五〇〇~五八〇〇円のお値打ち中華懐石。そのほか二八〇〇~三八〇〇円の飲茶コース、三五〇〇円の鍋コース、約五〇の一品料理がラインアップする。店内は四〇~五〇代の女性客で大にぎわいだ。

「かにしげ」や「湯葉と豆腐の店・梅の花」で和食チェーンを展開する同社が、なぜ中華業態に乗り出したのか。

「中華料理は大皿が多く大人数向き。それを『梅の花』で培った懐石の要領で演出すれば二人でも楽しめるはず。それに、和食と中華の二本柱ならば経営的にも安定するという読みもありました」(小森詳宏関東営業部第一課長)。懐石のノウハウがあればオペレーションは万全という。

「お客様に喜んでいただけるように、器はかわいらしいワンポイントのある食器を選び、なるべくふた付きのものを多用しています。開けるまでの楽しみと開けたときの喜びを演出しています」

「当初は本格中華を提供しましたが、せっかく『梅の花』という屋号がついているのだから和風にアレンジしようと。エビチリに生麩を加えてみたり、おかゆに湯葉を入れてみたり。やっぱり湯葉と豆腐が有名ですからね」

試行錯誤の結果、懐石に含まれる「ふく福豆腐のあんかけ」(卓上で豆乳ににがりを入れ、豆腐を作り、麻婆あんなどをかけていただく)などの大ヒットメニューを生み出している。

◆(株)梅の花関東営業部第一課課長・小森詳宏氏 趣向こらし出店攻勢

‐‐(株)梅の花の経緯は。

小森 かにしげ(有)として一九七九年に佐賀で発足。八〇年に本店を福岡県久留米市に移転。九七年に(株)梅の花に商号変更し、本社を福岡市に移転しました。八六年に「梅の花」の一号店を福岡市に出店。その後、ヘルシー志向と豆腐ブームを追い風に勢力を拡大しました。

‐‐「チャイナ梅の花」以外に、今春、「オリエンタルダイニング梅の花」という新業態を有楽町に出店したが。

小森 米国進出に向けた実験店でした。和洋中の要素をミックスしたメニュー構成です。米国の不況で進出は延期していますが、今後のためにノウハウを構築しています。

‐‐個室対応の丁寧な接客が人気ですね。

小森 “べったり”した接客が「梅の花」の特徴ですが、昨年暮れに出店した上野広小路店は、テーブル席中心でスタッフの滞在時間を減らし、簡易接客を試みました。評判は上々でしたが「梅の花」らしさが薄れてしまったようです。今月出店予定の銀座二丁目店では、単価アップして年配層向けの高級志向を目指します。

‐‐今後の注目店は。

小森 今春、「メイファ」という麻婆豆腐中心の小型中華レストランを福岡県久留米市に試験出店しました。これに期待しています。

◆「チャイナ梅の花外苑西通店」(東京都渋谷区神宮前三‐一‐三〇、コンセプト青山ビル地下一階、電話03・5414・3299)営業時間=午前11時~午後3時、5時~9時、年末年始休/坪数席数=一八六坪一一八席/客単価=四五〇〇円/一日来店客数=一五〇人/月商=二〇〇〇万円

◆「チャイナ梅の花」の三八〇〇円の季節中華懐石「桔梗」(1面写真参照)/塩葱豆腐、香りすり身と絹笠茸の山芋蒸し、木の子の湯葉巻き揚げ、ふく福豆腐・マーボーあんかけ、高原レタスと蓮根のホットサラダ、牛肉と秋野菜の粒胡椒炒め、金華ハムと椎茸の蒸しスープ、エビの赤唐辛子炒め、飯物(四種のいずれか一品/ヒスイ湯葉粥、炒飯、中華そば、冷やし中華)、デザート

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