データで見る食のトレンド(20)都市別中・外食支出額、外食化率で突出する京都

2002.11.04 262号 10面

総務省「家計調査年報(H12年)」により、調理食品(以下「中食」)と外食の消費実態を地域別・都市別にみてみよう。

全国一世帯当たりの中食年間支出額は九万九〇〇〇円。外食は一七万四五〇〇円。外食は中食の約一・八倍の支出額を示す。中食、外食ともに小都市→中都市→大都市と都市階級が上がると支出額は増加しており、都市型消費の特徴を持つ。

しかしながら、地域や都市別にみると、かなり趣を異にする。まず、全国を一〇ブロック(地方)に分けると、中食では一位「東海」(一〇万九〇〇〇円)、二位「北陸」(一〇万七〇〇〇円)、三位「関東」(一〇万三〇〇〇円)。外食では一位「関東」(二〇万四〇〇〇円)、二位「東海」(一八万三〇〇〇円)、三位「近畿」(一七万二〇〇〇円)となる。東海地方と中食での北陸地方が注目されよう。

さらに縦軸に一世帯当たりの調理食品支出額、横軸に外食支出額を示す図の中に全国四九都道府県庁所在都市をプロットしてみよう。縦軸・横軸とも全国平均値で区分すると、図のように四タイプに都市が分類される。

第1象限は、中食・外食ともに全国平均を上回り、食の外部化率が高い都市を示す。全国一六都市が位置づけられるが、特に京都、首都圏各都市、大阪、神戸、名古屋などの大都市が目立つ。また、富山、金沢、甲府、新潟など北陸・信越都市が着目される。

第2象限は、中食では全国平均を上回るが、外食では全国平均を下回る「中食型都市」を示す。福井をトップに広島、奈良、高知など一一都市が位置する。

第3象限は、中食・外食とも全国平均を下回る「内食型」都市を示す。九州各都市を中心に一九都市がある。

第4象限は、中食は全国平均以下だが、外食は全国平均以上の「外食型都市」を示す。岐阜、水戸、福岡の三都市が位置づけられる。

(諏訪東京理科大学経営情報学部教授 山腰光樹)

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