タスカル、鮮魚仕入れ専用通販カタログ「鮮魚直行便・たすかる鮮魚倶楽部」発行

2002.11.04 262号 24面

一般加工食品全般から資材・消耗品まで業務用全般を扱う、飲食店用仕入れ総合カタログ通販のパイオニアである(株)タスカル(三重県鈴鹿市、電話0120・506・520)はこのほど、鮮魚仕入れ専用通販カタログ「鮮魚直行便・たすかる鮮魚倶楽部」を発行した。九州最西北端に隣接する度島・平戸島・生月島の六漁港の定置網と、壱岐・対馬・五島の一本釣りで採捕した天然の魚介類を、現地の同社水産部で活〆め、下処理、梱包・発送まで一貫して行い、食べておいしい最高の状態で、ユーザーに直接届けるサービスを開始し好評を得ている。

「最高の魚で、大切なお客さんに喜んでもらいたい」「店の目玉商品になるような旬の魚が欲しい」など、ユーザーの究極の要望にもこたえられるのが「鮮魚直行便・タスカル倶楽部」の最大の特徴。

同社の水産部が拠点とする生月島周辺は、玄界灘の大陸棚を通る黒潮と、晩秋から初秋にかけて寒流が流れ込む海域で、採捕される魚種は千数百種類に及ぶ。また、恵まれた漁場を背景にした季節変動の小さい漁獲量と価格で安定供給が約束できる体制が整っている。

一方、注文はカタログと毎月二回届くFAXを参考に、飲食店が毎日魚屋と会話する要領と同じように電話で行う。

「面白い魚獲れてないか?」「(一本釣りの天然)クエが入ったら教えてくれ!」というように、コールセンターではなく直接現場担当者にユーザーの要望を細かく伝えるというもの。

カタログには「漁師さんのコメント」、定期的に届くFAXには「ボラの真子(生カラスミ)の出荷時期です。できれば予約をお願いします」「もうすぐ珍味、箱フグのシーズンです」「唯一の養殖魚、長崎県鷹島阿翁浦産フグの取り扱い始めました」。

また、「今後回遊してくる魚種情報」なども記載されており、事前に季節メニューを立てる目安にできる。最終的にカタログ通販のスタイルをとりながら、現地の水産部との直接のやりとりとなる。水揚げ状況、相場、今後の見通しなどを確認した上でオーダーできるというわけだ。

同サービスのもう一つの特徴である現地での下処理と梱包は、魚の鮮度を最優先に、ユーザーの手間をできる限りはぶくことを目的に実施している。したがって処理工程でどこまで手を加えるのかについては、個々のユーザーの要望にこたえることが可能である。

処理を行うのは、和食調理歴三〇年のベテラン調理師が担当。一尾一尾丁寧に行われる作業は、(1)脳天カギ打ち(2)エラ部切り(3)尾部切り(4)血抜き(5)神経抜き(6)氷〆め(7)ウロコ取り・エラ除去(8)内臓除去(9)腹内洗浄(10)腹内吸水シート詰め(11)殺菌シート梱包(12)スチロール入れ梱包と徹底。さらに配送行程では、氷が直接魚に触れて肉質が硬化するのを防ぐために保冷材を使用し、海水と同じ温度帯でユーザーに届けている。「調理担当者は、『ユーザーに届いた状態で、うまい魚である絶対の自信がある』という心意気を持っている」(同社)と語るほどだ。

同社は、「当社のサービスが、飲食店にとって日常的に扱ってもらえるメーンの仕入先にはならない」「大切な日・特別な時期に、注文を入れていただける信頼できる業者の一つでありたい」(同)というように、ユーザーの仕入れ担当者が毎日市場に通いながら、満足できない補足を請け負うサービスといえる。

他の飲食店と差別化を図ることができる、オリジナル干物(完全予約制)もあり、強い見方になってくれることは間違いない。今後は、「手作業の処理能力の問題や複数のブランドの必要性から、各地に供給拠点を広げていきたい。ただし品質は維持し続ける」(同)としている。

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