関西外食企業動向:なか卯
前期欠損だった牛丼業界四位の(株)なか卯は、今期大幅に業績改善を果たした。今中間(9月)期は売上高三・六%増(七七億五五〇〇万円)、営業利益九九・七%増(三億一五〇〇万円)、経常利益一〇〇・五%増(二億八一〇〇万円)、中間純利益は六店舗閉鎖による一億五〇〇〇万円の特別損失があったものの、一三・二%増(四三〇〇万円)と躍進させた。
今期好調の主な要因は、「値引きキャンペーンを強い意志で中止する」(北野安夫社長)という方針のもと、“他の牛丼チェーンとの差別化”“なか卯独自の和食ファーストフードの確立”を掲げ取り組んできた、強い麺類の飛躍だ。二年前に売上高構成比で牛丼の約半分であった麺類(牛丼五〇%、うどん類二五%)が、継続的な取組みと夏期季節メニューの大幅な貢献により今年の5~8月と11月で逆転。特に新メニューの「すだちおろしうどん」は期間中、単品で売上高構成比九・九八%を占める大ヒットとなった。
特に7月単月(直営店舗のみ)では、「すだちおろしうどん」(一三・九%)、「ざるそば」(七・二%)、「ざるうどん」(五・〇%)、「山かけうどん」(三・三%)の四アイテムで二九・四%を占めた。「収益性の高い季節限定商品群が伸びた」「限定商品効果が直営店舗に比べFC店舗で小さい」と、今後の方向性も見えた様子。下期も冬季限定メニューの「つけ麺ゆずうどん」「鶏塩うどん」の投入で、年間を通して強い麺類群の確立を図る。
今中間(9月)期末で二三一店舗を展開する同社は直営とFC比率のバランスをとりながら、二〇〇五年3月期四〇〇店舗、二〇〇八年3月期八〇〇店舗を目指し出店を加速させる。