まかない味シュラン(71)神戸元町別館牡丹園本店・王泰康料理長

2003.04.07 267号 9面

創業約五〇年の歴史を誇る「神戸元町別館牡丹園」。本店は、中華料理店の密集する神戸・元町にあり、変わらぬ人気を保ち続けている。

店では、調理場・ホール合わせて、約三〇人分のまかないを作る。これは、炊き場を受け持つ五人の仕事だ。「うちは、新人には火を触らせない。だからまかないも、ベテランが作っている」とオーナーシェフである、王泰康さんは話す。

まかないは朝・昼・晩とある。内容は、「中華に限らない。おでん、カレー、ハヤシライス、スパゲティ…、とにかくなんでも出る」そうだ。作り手は、メニューはできるだけ重ならないように、栄養バランスも考えているという。通し営業の土・日・祝日は特に大変なので、朝の仕込み時に、ある程度作っておくこともあるそうだ。

材料は厨房にあるものと、まかない専用に注文したものを合わせて使っている。野菜は、白菜、キャベツなど比較的コストの低い素材を選んでいるとか。

基本的にお店に並ぶメニューは出さない。また、まかないの時に新メニューの試食をしたり、ということもしないという。まかないは、あくまでまかない、というのが基本姿勢だ。

まかないは、厨房・ホールの面々が、一堂に会して食べる。王さんをはじめ、この店数十年のベテランも新人も一緒になるわけだが、特に反省会などをするわけではない。「ご飯はご飯。メリハリをつけなければ」と王さん。厳しい老舗料理店での仕事の中で、ホッとできる時間となっているようだ。

◆神戸元町別館牡丹園本店=神戸市中央区元町通一‐一一‐三、電話078・331・5790

◆神戸元町別館牡丹園本店のまかないメニュー

月曜日 山菜と鶏肉の煮込み、昆布の佃煮

火曜日 豚肉と白菜、エノキの炒め物、たまごスープ

水曜日 定休日

木曜日 山菜の炊き込みご飯、わかめスープ

金曜日 ソース焼きそば

土曜日 ハヤシライス

日曜日 鶏肉の唐揚げ、サラダ

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