料理人のこだわりテクニック(35)神戸元町別館牡丹園本店・王泰康料理長
「ベースとなるソースやスープまで、すべて厨房で作っています」という中華料理店・別館牡丹園。
例えばオイスターソースは、濃度や糖度を指定して仕入れたカキエキスを使って、ソースを作っているという。熟練した料理人が集まる老舗店だけに、「当たり前のことを続けているだけ」と、オーナーシェフの王泰康さん。
野菜は市内の契約農家から仕入れているが、これも約四〇年前から続けているという。もちろん食材にも一品一品厳重に目を通す。
「業者にも厳しいですよ。でも、そこはケジメです。お互い切磋琢磨することが大事。これは基本ですね」
その姿勢は、「毎日・毎晩、磨いています」という厨房の清潔さにも現れている。「口に入れるものを作っているのだから当然です。“料理がおいしい”だけではなく、それ以外の面でも高いレベルを保ちたい。それが結局、料理につながりますしね」と王さん。約五〇年にわたるこの店の歴史は、こうした毎日の積み重ねに裏打ちされているようだ。
◆神戸元町別館牡丹園本店=神戸市中央区元町通一‐一一‐三、電話078・331・5790