最新エスニック食材講座(7) ビンダールペースト 複雑な辛味が特徴

1993.05.03 27号 21面

口中で辛味を感じる感度は、人によって差が大きく、同じ辛味であっても激辛と感じる人もいれば、辛味が足りないと感じる人もいます。

激辛ブームでは争って辛いものへの挑戦を試みた辛口愛好家も、少しずつ形を変えて旨味のある辛さを求めるようになってきました。

ビンダルーペーストは、インド産の赤唐辛子に数種のスパイスをブレンドして熟成させたペーストで、唐辛子の辛味成分であるカプサイシンと、スパイスが混り合って旨味のある、練れた辛味ペーストで、インド特有の香りと風格を持っています。特にインド料理には欠かせない辛味であり、カレーには必要な調味料の一つです。

唐辛子やコショウ、ショウガなどは比較的単純な辛味ですが、このビンダルーペーストは、複雑な辛味が特徴ですから、カレーソースの中の辛味には、量の加減で激辛にもなれば、中辛にもなり、少量であれば甘口にと変化できます。また、別添として薬味的に好みで加えることもよいでしょう。

また、肉類、魚介類などと辛味の相性もよく牛肉、エビなどの表面にすり込むようになすりつけて焼くビンダルー焼きもおいしいものです。トマトソースにビンダルーペーストを加えたソースは、各々の料理のソースとして、また野菜のディップとしての使い方もあります。辛味は個人差が大きいものですから、各人好みで加減しながら利用できることも喜ばれます。ビンダルーペーストの含蓄する辛味と旨味は愛好家も多く、一度食べたら忘れられない病みつきの調味料となるでしょう。

材 料

玉ネギ・・・・2個

ニンジン・・・・小1片

ショウガ・・・・親指大1

クミン原形・・・・小サジ1

鶏肉・・・・500㌘

トマト缶詰・・・・1個

クミン末・・・・大サジ1 1/2

カルダモン末・・・・小サジ1

ターメリック末・・・・小サジ2

ビンダルーペースト・・・・大サジ3

コリアンダー末・・・・大サジ4

ガラムマサラ・・・・小サジ1

シナモン末・・・・小サジ1

ギー・・・・大サジ5

チキンスープ・・・・5カップ

スイートマンゴチャツネ…大サジ2

作り方

① 玉ネギをみじん切りにする。厚手鍋にギーを入れて熱し、クミン原形とニンニク、ショウガをすりおろしたものを加え、さらに玉ネギを加えアメ色になるまで炒める。この中へトマトを細かく切って加え5分ぐらい炒める。

② 鶏肉はシナモンをまぶし①の玉ネギの中に入れターメリック、カルダモン、クミン、コリアンダー、ビンダールペースト、スイートマンゴチャツネを入れ、さらにスープを加えて強火で煮た後、弱火で約1時間20分煮、ガラムマサラを加え塩で味を整え10分煮る。

スパイス料理研究家

朝岡和子

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら