名古屋版・トップインタビュー:ペルソナ代表取締役・村松俊三氏
昭和57年設立の大日本印章(株)を母体としたDNIグループは、飲食事業部門として(株)ペルソナを設立。居酒屋など酒を主体とした独自のコンセプトによる店を展開し、話題を集めたが、昨年6月の道交法改正により最悪時で既存店売上げ三割ダウンとなる厳しい状況に陥った。しかしさまざまな対応を行い最近では数字を戻しつつあるものの、村松俊三社長は、これからは食事型店の展開路線へと軌道修正する。その一つが讃岐うどんの「さぬき安兵衛」。一号店は一日四五回転するブレークぶりで、今後の展開が期待される。村松社長にそれを含めての将来計画を聞いた。
‐‐大日本印章(株)が飲食事業を始めるきっかけは何だったんでしょう。
村松 私自身食べることが好きといういたってシンプルな理由からです。
自分が描いている理想の店を実現してみたいという気持ちで、一五年前にいけす料理の料亭をオープンしましたが、職人が幅を利かせる自己満足の世界が私の考えている理想の店とはかけ離れていて、すぐ閉めました。
店側の自己満足よりも、お客様の満足をどう自分たちの喜びに変えてゆくかという考え方が大切なんですね。
その後、かに料理「甲羅」FCを二店始めたわけですが、そこで初めて甲羅本部のレシピを含めたシステムづくりを勉強させてもらいその必要性を実感したわけです。
素人ではできない、味づくりの微妙な調整役として少数の職人に力を発揮してもらいながら主としてパート・アルバイトでも運営できる店づくりを念頭におき、居酒屋業態の「じゃぽん屋」「同リビングバー」「北海番屋」四店舗などを展開してきました。
‐‐それらの店は話題を呼び、大変な人気となりました。
村松 はい、そうなんです。でも昨年の道交法改正により厳しい規制を受けてそれまでは新鮮な北海道から届けられる新鮮な食材を炭火で焼くスタイルが大当たりして好調だった「北海番屋」が打撃を受け、既存店ベース売上げ三〇%ダウンになるという事態を招いてしまいました。
今は代行運転や送迎バスのサービスを開始して何とか戻しつつあります。それらのサービスにかかるコストは約五%。もちろん利益率は下がるもののお客様に還元するという考え方で継続させていきたいとは思っています。
しかし、やはり全体的に見て、郊外型の店は経費がかかりすぎるので、今後は新しく食事中心型の店へ重心を移していく考えですね。
‐‐それで今年の2月、さぬきうどんの「さぬき安兵衛」を開店させたわけですね。
村松 讃岐うどんが大流行でこれからも競争が激化してゆくとは思いますが、この店は本物を値打ちに安く、接客にも心配りをすることで差別化を図ります。四国・高松の本場から生地を直接日配してもらい、各店でこね、切って、ゆでて提供するという手作りの方法をとっています。
パート・アルバイトによるマニュアルで味の安定化とサービスを徹底させました。一号店は名古屋一の繁華街「錦三丁目」にオープンさせましたが、適した物件が見つかり次第出店していきます。
標準型は市内が二〇坪前後で二二席、郊外型は八〇席。年内には郊外店を二店舗出す予定なので成功すれば郊外へも出店していきます。
まずは名古屋の地元で足場を固め自信をつけて三〇店舗展開させたら東京へ。三年で五〇店舗展開できたらと思っています。
‐‐ほかに出店のご予定は。
村松 (株)ハーバーハウスが東京の新宿ワシントンホテル内に大規模の釣り堀居酒屋「ざうお」をオープンし、TVにも放映されるほどの話題となりましたが、これを9月に名古屋の郊外に出店します。
二四〇坪、三五〇席の広い店内に巨大水槽を設置し中に魚を一〇〇〇匹から一五〇〇匹泳がせてそれをお客様が釣り上げその場で料理して食べることができるエンタテインメント性の高いスタイル。ファミリーがイベントとして楽しめるという、他店にはない独特なコンセプトになっています。
‐‐話題を集めそうですね。それにしても讃岐うどんブームで競争は一段と激しくなることについてどう思いますか。
村松 そうですね。ただ当社の強みは大日本印章という母体があるということ。初期投資ふくめて最初の何ヵ月間の赤字部分を本体が補うことができるんですね。今赤字でも将来の明確な収益計画のもとに機械設備にしてもどんどん投下できます。試行錯誤を繰り返し理想の形にするまで、ある程度投資してゆける背景があるのは大きなメリットです。
本体が伸びているので職種が異なる二つを合併させることで安定させることもできるし、一気に伸ばす可能性も出てくるというわけです。資本的にはペルソナで出店し続けることは難しいけれど、好調な印章部門で出店していけるということです。従業員のために夢を実現すべく株式公開をめざしてゆく考えです。
‐‐今後を期待しております。今日はどうもありがとうございました。
◆プロフィル
村松俊三(むらまつ・しゅんぞう)=京都生まれ、五九歳。一九八八年に本体の印章と印鑑の製造販売を行う(株)大日本印章から飲食事業部門の(株)ペルソナを立ち上げ、試行錯誤を繰り返しながら現在「甲羅本店」を二店、「北海番屋」を四店のほか、「じゃぽん屋」「リビングバー」「日本料理北山」「HANABI」「キッチンボウル」を出店中。今年2月に名古屋でさぬきうどんの「さぬき安兵衛」一号店を開始、多店舗展開に乗り出す計画だ。
◆「さぬき安兵衛」店舗紹介
名古屋一飲食店の集まる好立地の「錦三丁目」にオープンしたのが今年2月。「とにかくほんまもんを」(村松社長)のコンセプトで徹底した手作り。天然だしを使い、本場高松から日配で届けられたさぬきうどんの生地が毎日店舗でこねられる。
味の統一を含めたマニュアルを求め試行錯誤を繰り返し、オープン時に材料費比率三八%、人件費三〇%だったのを少しずつ削減し、三ヵ月目にして材料費は三〇%を切り人件費は二一%までに落とすことを可能にした。ロスがなくなり客数も一ヵ月八〇〇〇人から一万五〇〇〇人に増やし、二五日ベースで一日四五回転している計算だ。
月商四三〇万円を目標としていたが、現在それを大幅に上回る五五〇万円の売上げを示している。「今の状況は天井の天井だ」(社長)と謙遜するが、お客様が着席してから店を出るまでわずか八分。まだまだ伸びる可能性は高い。
今後の展開計画としては11月に小牧、12月に堀田を、年内に二店舗開店する予定。
◇「さぬき安兵衛」(名古屋市中区錦三丁目二〇‐一〇、スター錦ビル1F、電話052・955・2722)客席=一八席、営業時間=午前11時~午後2時、6時~午前3時













