トップインタビュー サン・チャレンジ代表取締役会長 佐藤康行氏

1993.05.17 28号 3面

一〇〇〇円ステーキという強力なお値打ち感を看板に、首都圏を中心に積極展開を続けているのが「くいしんぼ」チェーン。同店のモットーは「安くて、提供が早くて、美味してステーキ」にある。一〇〇〇円ステーキをキャッチフレーズにしているが、これは一〇〇〇円札一枚でステーキにご飯、サラダを食べることができるという、手頃な感覚にあるようだが、その実態について、会長にインタビューした。

‐‐不況が続くなかサン・チャレンジさんが展開されている「ステーキのくいしんぼ」はいかがですか。

佐藤 不況には関係なく安定しています。私自身の考え方をすると時代や流行はあまり意味がありませんね。なぜなら人の心に振りまわされている感があります。自分自身の一度だけの人生ですから何をするのかを常に自問自答することが考え方の基本にあります。

‐‐現在、直営、FCはどのくらい展開していますか。

佐藤 現在、本部直営は四谷本店、高田馬場早稲田口店の二店、FCは下北沢店を皮切りに三八店、4月中に東高円寺店と名古屋、平針店の二店舗がオープンし、FCは合計で四〇店舗になります。

‐‐四〇店舗近く、FCを展開されていますが人材育成についてはいかがですか。

佐藤 人材教育として“佐藤義塾”を主宰しています。そこで、人生何を目的に生きているのかを問うわけです。また、「魂の開発講座」と題して二泊三日のセミナーを行なっています。研修参加企業・講演先企業も職種を問わず金融関係や自動車メーカー、建設会社など幅広く行ない、講演も年に一〇〇回を越えています。そうした経験を生かし、従業員教育に取り組んでいます。

‐‐一店舗当りの売上げはどのくらいですか。

佐藤 だいたい八〇〇万円です。

‐‐売れ筋メニューについてはいかがですか。

佐藤 「ステーキのくいしんぼ」の売り物は“一〇〇〇円ステーキ”ですからね。ステーキを食べるお客様は若者です。その若者が自分のポケットマネーで食べられる手頃な価格帯にしてあります。ランチタイムにはサラリーマンだけではなく学生も空席待ちの列に並んでいます。人気メニューは、やはり当店の“オリジナルステーキ”と“オリジナルハンバーグ”です。

‐‐人気の秘密はどこにありますか。

佐藤 まず、価格帯を一〇年間据え置きにしています。オリジナルステーキ一三〇㌘一〇〇〇円、オリジナルハンバーグ二八〇㌘一〇七〇円にしています。ステーキソースに関してもシャリアピン、極辛、もろみなど九種類と豊富に揃えている中から自由にお客様が選択できます。営業時間中はライスはもちろんのこともやしなどのガルニ系のお替わりは自由とし、ボリューム感を出しています。低価格で満足感がある庶民派ステーキ店が基本コンセプトです。

‐‐今後の店舗展開についてどうですか。

佐藤 今までに一五坪から対応可能な店舗を実現してきました。本部直営店の四谷本店の場合、一九坪で三一席です。室内のレイアウトはカウンター席を主体としたことが逆にお店の個性になっています。あくまでも店舗面積は二〇坪前後ですね。また、ロードサイド型の店舗も出店しています。首都圏から郊外の大型ロードサイド店まで幅のある展開をしていきます。

‐‐将来の展望としてはいかがですか。

佐藤 あくまでも上場を目指します。中国、台湾などを始めとして海外にも出店を計画しています。国内、海外を含めて二〇〇〇店舗、売上げ二〇〇〇億円にしたいと思っています。 (文責・野崎)

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