ピザーラ、業界初“しゃべるメニュー”を導入

2004.02.02 280号 2面

宅配ピザ最大手「ピザーラ」を展開する(株)フォーシーズ(東京都港区、電話03・3208・5023)は、視覚障害者向けに開発された活字情報読み上げ装置「スピーチオ」に対応したメニューカタログを宅配業界で初めて導入、昨年12月上旬から全国に配布している。

スピーチオは、(株)廣済堂(東京都港区)が開発、NPO日本視覚障がい情報普及支援協会(東京都新宿区、渡辺禮司理事長)が普及に努めている。切手サイズに約八〇〇文字を記録できる二次元コード「SPコード」を、専用の機械で読みとり、合成音声で出力する機械。従来の点字などに比べ、特殊な印刷・加工を必要としないため製作のコスト・時間が大幅に削減ができる。厚生労働省の日常生活用具給付事業に認定されており、重度の視覚障害者の購入を助成し、活用が広がりつつある。

視覚障害者の六七%が六〇歳以上、約二〇万五〇〇〇人が白内障や糖尿病といった疾患によって視覚を失っている(平成12年厚生労働省調べ)。点字習得者は一〇%以下で、とくに中途失明者の点字習得は困難。高齢社会と核家族化が進行する中、視覚障害者に必要な生活情報を提供するためのバリアフリー化推進運動はますます重要だ。

日本視覚障がい情報普及支援協会では、電気・ガスなどの請求書や通帳・処方箋・取扱説明書といった即時情報から、時刻表や商品パッケージ・カタログ類へとスピーチオ活用の幅を広げることを目指し、紙による情報バリアフリー化推進運動キャンペーンを来年2月から広島を皮切りに全国各地で展開する。食品・小売業界にも協賛を呼びかけている。

フォーシーズは、SPコードが付いたピザーラグランドメニューを、まずは社会福祉法人日本盲人会連合の全国加盟五八団体を通じ、視覚障害者へ配布していく。

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