関西版:なか卯の「豚どんぶり」着々軌道に 売上高ではほぼ前年水準を維持

2004.03.01 281号 14面

大手牛丼チェーンから国民食であった牛丼が消え、一ヵ月がたった。寂しい気持ちを引きずっている半面、新しく登場した豚メーンのどんぶりに大きな期待が寄せられている。

関西に本社のある業界四位の(株)なか卯(大阪市淀川区、電話06・4807・7303)は、「豚どんぶり」(並四〇〇円)を1月17日から順次店舗に登場させ、牛丼は大手各社に先駆けて、2月2日に販売を終了した。

「味には好評をいただいている。販売個数では牛丼(当時並二八〇円)と比較して減少しているものの、売上高ではほぼ同じ水準にある(既存店売上高前年同期比約三%減)」(経営企画室)と危機を乗り切った。

「四〇〇円という価格は、バリューに見合った設定」(同)と、安さを追い求めたデフレの負の遺産から脱皮し、おいしさなりの対価を容認する昨今の消費者時流にいち早く対応している。同時に、低価格帯での値ごろの抑え商品として「豚どんぶりミニ」(三〇〇円)、「小どんぶり鶏そぼろ」(二四〇円)をそろえた。

メニュー開発については、麺類で実施してきた季節商品の打ち出しをどんぶりにも広げる。「豚どんぶり」を米飯類の基軸に、新生「なか卯」の経営基盤確立に邁進する。同社はここ数年、メニューミックスの強化、強い麺類の推進を図り、今期は麺類の売上高構成比が牛丼を上回る成果を上げてきていた。

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら