関西版:餃子計画が展開する「餃々(チャオチャオ)」、出店月5~6店の急成長

2004.06.07 286号 15面

一ヵ月に五~六店舗のペースで出店、急成長を続けるのは(株)餃子計画(大阪市北区、電話06・6485・0161)が展開する餃子専門店「餃々」(チャオチャオ)。「餃子を文化にする」(西研悟社長)という理念の下、自社製造の「チャオチャオ餃子」(一人前八個、二九四円)を看板メニューに出店を加速させている。

餃子計画は、西研悟社長の父である現会長の研三氏が昭和46年に中華料理店を開業したのが始まり。当時、その店のメニューだった手作りの餃子は、同業者から「使わせてほしい」と言われるほどの評判を得ていた。「餃々」は、研悟社長が父の味を継承し、本格的な餃子を手軽に味わえる外食店としてビジネスモデル化したもので、全国展開するまでに急成長させた。ベンチャーリンクが加盟店開発とスーパーバイジングを行う。

店舗は現在三九店舗、うち直営が一四店舗、昨年4月からスタートしたばかりのFCが二五店舗である。今期末(8月末)には約六〇店舗。来期も七〇~八〇店舗の出店予定があり、来期末には約一二〇店舗規模になるとしている。

「当社のビジネスモデル(バリュー)は付加価値路線。大手食品メーカーにはできない餃子」と西社長が言い切る商品は、同社の最大の強みで、取扱商品のうち約七五%を占める自社開発・製造商品である。

メーンの餃子は、(1)限界まで薄くした極薄皮(2)肉は国産生肉だけ使用(3)野菜は減農薬栽培産地直送だけ使用など、素材にこだわり、生冷凍で配送する具を各店舗で毎日手巻きする。生産と品質(鮮度)管理も、店舗の情報が直で工場に伝わるため行き届く。「商品管理・開発・改善のスピードが圧倒的に早いのが強み」(同)と言う。

ビジネスパッケージは「居酒屋と立ち飲みの中間、客単価一五〇〇~一七〇〇円の“ちょい飲み需要”である。もともと関西と関東では餃子を食べる動機が異なり、関西はおつまみ、関東は食事が主体で、関東圏ではかつて餃子で“ちょい飲み”する習慣はなかったが、展開後は受け入れられた。関東と関西で商品を変える必要も感じていない」(同)。また、店頭で販売するテークアウトが売上比率で約二〇%を占めるのも「餃々」の特徴である。

マーケットは「現在、餃子専門店市場は約一七〇~一八〇億円規模、一万店舗とみているが、そのほとんどが個人経営であり、お客さまのほとんどは中年男性である。われわれは、若い世代に来店していただけるようなパッケージを目指している。それが餃子の新しい文化になり、マーケットサイズの拡大につながると考えている。路地裏にある餃子専門店を、大通りに面した立地にもってきたい」(同)と言うように、市場はまだまだ未開拓であり、大きな可能性を秘めている。また、外食事業のほかに、ラーメン・中華業態の外食店やスーパーの惣菜売場に対し、付加価値のある餃子として商品供給も行い好評を得ている。

食の安全については「昨今トレーサビリティーが叫ばれている中で、当社が最終的に目指すものは、自社が取り組んでいる素材の産地から、製造工程、販売ネットワーク、お客さまの口元に至るすべてで関与していくモデルを確立し、食の安全を確立すること」(同)と語る。

業績は、今期の全社売上高(製造・卸業、外食事業、通信販売業)が二四億円(前年同期比三三・三%増)になる見通し。〇四年8月期の決算を踏まえ、12月申請の〇五年2月に上場する予定。

「実質、約三〇%増で推移できており、中長期的経営計画に沿って、粛々と遂行している」(同)と言う。同社の今後に注目だ。

〈主なメニュー〉(以下一人前)▽チャオチャオ餃子二九四円▽シソ風味餃子三九九円▽海老餃子三九九円▽水餃子三九九円▽手羽先餃子三本五二五円▽チーズ餃子三九九円▽野菜餃子三〇五円など

〈浪花ひとくち餃子・基本店舗パッケージ〉▽投資額二三〇〇万円▽店舗面積一〇~一五坪▽席数一五~二〇席、カウンターと四テーブル▽想定月商四〇〇万円

◆記者の一言

同僚の女性(三〇代)に聞いたところ、「餃々」では「シソ風味餃子やチーズ餃子などをチョイスして食べますよ」という返答。店内には女性客が目につく。ご飯物は麦入りで統一するなど、健康志向層をとりこむ。もう、オヤジの食べ物とは言わせない!

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