いまから間に合うアテネオリンピック対策! 盛り上がるギリシャ料理

2004.06.07 286号 24面

二〇〇四年8月、ギリシャ・アテネでのオリンピック開催まであとわずか! ちまたではアテネブームが盛り上がりを見せ、マスコミでもギリシャ料理(地中海料理)が特集されるようになってきた。シーフードや野菜をふんだんに使ったギリシャ料理は、日本人になじみやすく、ヘルシーで女性からも注目の的。またギリシャ料理でよく使われるのは羊の肉。BSEで輸入がストップしている米国産牛肉の代替としても人気を集めるメニューになりそうだ。今年の夏は話題づくりにギリシャ料理は欠かせない。(阿多笑子)

歴史的背景からユーゴスラビア、ブルガリア、トルコなどと食文化が似てるギリシャ。西部は海路でイタリアとも近く、第二次世界大戦中はドイツ、イタリアの占領下にあったことから、イタリアの影響も色濃く受けている。

地中海気候のギリシャの代表的な農産物は、オリーブ、オリーブ油、ブドウ、トマト、ナス、パプリカ、ズッキーニ、ロメインレタス、アーモンドなど。

料理の特徴は、「自然の味を生かす」「高鮮度で調理する」「プロバンスにみる調理法と同じ」などで、比較的焼く料理が多い。味のポイントは、塩とハーブ。また、オリーブオイルを大量に使うほか、酸味が好まれレモンなどを多用することも特徴だ。

さまざまな料理にレモンを絞ってかけ、果汁を使ったスープもあるほど。ハーブ類では、ミントが最もよく使われている。ちなみにギリシャで庶民に最も親しまれている居酒屋のことを「タベルナ」という。

代表的なメニューを挙げてみると、「タラモサラダ」(マッシュポテトとタラコとオリーブ油を混ぜたサラダ)、「ムサカ」(ナスやトマト、ジャガ芋を炒めてミートソースで重ね焼きしたもの)、「カラマラキア」(イカのオリーブ油揚げ)、「ヤプラック・ドルマ」(ブドウの葉で炒めたピラフなどを巻いて蒸し焼きにしたもの)など。タラモサラダはもうおなじみだが、いずれも日本で手に入る食材で再現できるものが多い。中でも「とくに日本でヒットの兆しがあるのは、『ギロ・ピタ』」と言うのは、メニューコンサルタントの押野見喜八郎氏。ギロ(GYRO)とは、主に羊の肉を心棒に巻き付けてゆっくりあぶりながら焼いて食べるギリシャ独特の肉料理で、さらにそれをスライスしたものを、生野菜、ヨーグルトソースとともにピタパンに挟んだサンドイッチが「ギロ・ピタ」。

ギリシャに限らず中東全域で一般的な軽食として食べられているが、すでに米国でも「ジャイロ」と呼ばれ、ファスト・フードチェーンも展開するほど普及している。日本でも個人の屋台を見るようになったが、客の目の前であぶった肉を削り取るパフォーマンスは日本人にも受けるだろう。ファスト・フードやカフェ、レストランなどでも応用でき、手軽なオリンピック観戦フードとしても訴求できる。

また、本格的な伝統料理を再現しないでも、特徴を抑えることで「ギリシャ風メニュー」を創作することもできる。ポイントは、「塩味」「オリーブオイル」「レモン」「ミントなどのハーブ」だ。

ギリシャ料理に良く使われる食材は、魚、羊、トマト、ナスなど。一例を挙げれば、シーフードをオリーブオイルでソテーし、塩とレモンで味付けし、最後にミントやローズマリーを添えれば、ギリシャ風。さらに本格感を演出するなら、トマト、ナス、パプリカ、ズッキーニ、ロメインレタスなどの野菜を付け合わせに添える。

調理法も味付けも比較的軽く、日本人の嗜好にも合いやすいというギリシャ料理。羊の肉が苦手という客にはビーフやチキンを使ってもいい。この夏、ランチメニューや居酒屋メニューにバリエーションを広げて、他店と差別化を図るのも手だろう。

(23面に関連メニュー提案掲載)

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