日清冷凍食品「どんぶり屋さんシリーズ カツ丼の具」 望月孝社長に魅力を聞く

2005.05.02 300号 24面

親子鍋一つでだれでも手軽にカツ丼が作れる!

日清冷凍食品(株)(香川県三豊郡詫間町、電話0875・83・2089)の新製品「カツ丼の具」が、丼メニューの新規需要を喚起する試金石として注目されている。同製品は、カツ丼の具材(豚カツ、玉ネギ、つゆ)を親子鍋と同じ大きさの円盤状に成形冷凍したもの。仕込み不要、手軽に短時間で専門店の味を実現する。同社の望月孝社長に、新製品にかける意気込みを聞いた。

‐‐製品開発の経緯、コンセプトについてお聞かせください。

望月 当社商品の主軸は豚カツ、冷凍麺、シュウマイで成り立っています。より一層事業を確固たるものにするには、いかにすべきか。解答は、商品ジャンルを広げず、現行商品の差別化を徹底的に図ることに尽きます。

そこでまず、丼物の人気メニューであるカツ丼に白羽の矢が立ちました。何故か。カツ丼はおいしいですよね。その消費量は、丼物市場の約四割を占めるともいわれています。

しかし、丼具材の業務用冷凍食材は、ボイリングパック(湯煎タイプ)が主流なため、カツ丼向け冷凍食材は皆無なのです。湯煎では、ジューシーな豚カツは提供できません。成形保持も難しいのです。そこで当社は、「直火調理でプロの味」をコンセプトに、「カツ丼の具」を発売。既に、品質の高い豚カツを製造している自信があるからこそ、豚カツ料理の人気メニューであるカツ丼で勝負に出たのです。

‐‐どのように直火調理を可能としたのでしょうか?

望月 当社は、どんぶり口径とほぼ同じ大きさの、「うどんの具」を製造しています。この製造ノウハウを生かし、湯煎ではなく、直火調理による「カツ丼の具」を作り上げました。

‐‐セールスポイントは?

望月 プロだけが作り得る最高のカツ丼を手軽に、低コストで提供できることに尽きます。想定原価は三五~四〇%(コメ含む)と、価格訴求力も強い高付加価値商品です。シソ、チーズを中に挟むなど、多様な商品開発の余地がカツには残されています。しかし、あえて当社は「直球勝負」で挑みます。カツ丼を一層普及させていく上で、散在する潜在需要を喚起する、即戦力としての自信作です。

‐‐販売ターゲットは?

望月 個人経営の飲食店、また、軽装備の飲食施設です。一日あたりの客数が、一〇〇人以下程度と比較的少なく、メニュー数を抑えることが余儀なくされている個人店。さらに、厨房施設に制約があり、カツ丼をメニューにのせることができない飲食店でも利用していただければ、集客力アップに直結する、強力なマグネット商材となること必至と自負しています。

業務用冷食市場に関しては、豚カツよりカツ丼の方が潜在需要は高いとすら、私は判断しています。フードコート、漫画喫茶、カラオケボックス、パチンコ店などのレジャー施設に、大きな潜在需要が確実に存在すると考えます。

‐‐類似品との差別化は?

望月 何よりも、直火調理可能商材であることで、決定的な差別化を図りました。既存の丼物の具。即ち、ボイリングパック商材と異なる点は、輻射熱で包み込むように加熱する直火調理にあります。

直火調理により、プロが作った料理と比較しても何ら遜色のないおいしさを実現しています。また、アレンジが豊富になります。湯煎タイプでは、具をのせて調理はおしまいです。しかし直火調理ですと、例えば、最後にかける溶き卵の量を変えてみるだけで、同じカツ丼でも、幾通りものバリエーションを生み出せます。

このように、手作り感を演出する一手間の余地も残しました。ボイリングパックでは、素材を一度殺菌しますので、素材の味・色も、本来のものと微妙に異なってしまいます。直火調理商材では、そのような心配は皆無です。

‐‐ユーザーの反響は?

望月 直火調理ならではのおいしさには、「高得点」をいただいております。さらに、「オープンキッチンでも調理可能なのがうれしい」と評判です。直火調理であれば、親子鍋で煮立っている具を、お客さんの前で丼ご飯にのせて、お出しできます。作りたてを強くアピールできます。ボイリングパックでは、このような「演出」は不可能です。

また、ユーザーのアイデア次第で、カツ丼以外の料理へも多様な利用方法を編み出せます。以上、メニューバリエーションの多様化を簡便にする点でも、ユーザーの方々は評価して下さっています。

‐‐ラインアップも含めた今後の販促方針については。

望月 「カツ丼の具」と同時に「豚丼の具」「親子丼の具」を発売しましたが、こちらも大好評をいただいておりシリーズ化のニーズに確かな感触を得ています。

早速、第二弾として近々に「牛丼の具」「中華丼の具」を新発売する予定です。引き続き、“親子鍋一つ”と“手軽に本格的”をテーマに商材開発に取り組みます。卸、小売、そしてユーザーへ流れる過程で、調理方法の説明に全力を注ぎ、認知度を上げていけば、当社のメーン商品へ成長すること疑いなしの優れものと、自負しています。

◆どんぶり屋さんシリーズ「カツ丼の具」

「カツ丼の具」=ロースカツ、玉ネギ、特製たれを一枚のプレート状に凍結したもの。荷姿=一九〇g×一〇パック×四合。サンプル問い合わせ=日清冷凍食品(株)商品企画部(電話0875・83・2089)

■「カツ丼の具」の作り方

(1)親子鍋にのせる

(2)ふたをして三分~三分三〇秒、強火で加熱する

(3)溶き卵を加えてふたをして約三〇秒、強火で加熱する

(4)丼の白飯にかける。(写真上から)

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