百花繚乱!立ち食いそば:「そば処伊那」冷やしかき揚げ天そば
山手通り沿い、新青梅街道と川越街道に挟まれた中間あたりに位置する要町駅で、地下駅の出口から5歩のところにあるのが、そば処伊那。今は畳んでしまった池袋店で2年間修業をした店主が5年前に独立。看板を受け継いで営業している。
最近始めたという、量は食べられないけれどいろんな種類のものを食べたいという女性に最適なレディースセットは、ミニいか天丼と半きつねうどんのセット。このいか天丼がただものではない。単に天ぷらを乗せただけではなく、特製のたれを使ったピリカラ風味で、いか天以外に3種の材料が乗っている。
ほかにも、店内に並ぶメニューのうち他店であまり見掛けない商品のほとんどに、名前からは想像しにくい独自の工夫が息づく。
「ピリ辛ねぎ」はラーメン屋で見るようなものではなく、「とろ~り餅」もただの揚げもちではない。夏向けの新メニューも開発中とのことで、今度はどんな工夫を見せてくれることやら。
この店では混雑時にも注文後ゆでを守っているが、そのゆで時間の間にビールを注文するお客さんも。軽くのどを潤した後に届く、店主が工夫を凝らした一杯のそば。トッピングをつまんでビールを一口、そばをすすってまた一口。立ち食いそば屋の新しいスタイルになるのかもしれない。
◆「そば処伊那」(東京都豊島区西池袋5‐25‐1)営業時間=午前7時~午後7時、日祝定休
◆青木剛理=立ち食いそばの発展・認知高揚を目的に、ホームページ「立ち食いそば紀行」(首都圏の立ち食いそば店ランキングなど/http://www.gori.sh)を主催運営。当連載は約七〇〇軒強の食べ歩き実績から超必見店を紹介。