この一品が客を呼ぶラーメン編:「山神山人大倉山店」塩野菜盛
豚骨のイメージを一新するスープと、健康志向の食材を使ったラーメンが人気の「山神山人」。周辺のサラリーマンほか、コンサートホール、図書館などの利用者も訪れ、特にイベント時には店前に行列ができる。さらに女性や家族連れに配慮した店づくりで、客の心をつかみ、多くのリピーターを生み出している。
店は、神戸・大阪で飲食店をマルチ展開する(株)北海のラーメン専門店。山小屋風の内装は明るく清潔なイメージで、店内は全席禁煙だ。女性一人やファミリーでも気軽に入れる店づくりで、ヘルシーにこだわったラーメンを提供している。
掲げるラーメンのテーマは“神戸生まれの豚骨”。白く濁ったスープには、豚骨独特のにおいがない。
「丁寧な仕込みでにおいをとり、クリーミーに仕上げています」と店長の大谷亮二さん。さらにラードを使わず、サラダ油に香味野菜を加えた元だれを使うなど“体にやさしい”ラーメンを徹底的に追求している。
麺はそうめんのような極細麺。ローラーを2回かけて圧縮することで、時間がたってものびにくい、しっかりしたコシのある麺に仕上げている。
具材は、とろけるような口当たりのチャーシューが人気。追い足しの特製たれにつけこみ、軟らかく仕上げる。スープの味が濃い分、チャーシューは浮いてしまわないようにソフトな味付け。チャーシューだけのテークアウトもしている。
メニューは数種類あるが、最近とくに人気なのが「塩野菜盛」だ。名前の通り、たっぷりと野菜が載ったヘルシー志向のラーメン。野菜はキャベツ、ニンジン、ネギなどをボイルしたもの。自慢の豚骨スープに、野菜の甘みが加わり、より味わい深くなっている。女性好みの一品だが、実際は男性のオーダーも多い。
健康志向は、外食が多くなりがちな男性の間にも浸透しているようだ。
◆山神山人大倉山店(神戸市中央区楠町5‐4‐25、西田ビル1階、電話078・361・6577)営業時間=午前11時~午後11時40分、第3月休
◆食材の決め手:瀬戸の彩りの赤玉 山本鶏卵(有)(神戸市中央区)
ラーメンのトッピングで、チャーシューとともに人気の高いのが煮卵。そうしたお客の要望に応えるかたちで、この店では、グレードの高い卵を使った、自家製のものを提供している。
使用している卵は「瀬戸の彩りの赤玉」。甘みが強い、しっかりした卵のコクと風味もさることながら、黄身の安定性も大きなポイントだ。
ボイルしたとき、黄身が白身の外にはみ出すことが少ないため、ロスを減らすことができるという。