サイゼリヤ、FF実験店「イート・ラン十条店」 タコスが人気メニュー

2006.01.02 309号 5面

イタリアンレストランチェーン、(株)サイゼリヤ(埼玉県吉川市、電話048・991・9611)は、新業態「イート・ラン十条店」(東京都北区十条仲原1‐2‐1、昨年8月24日開店)でファストフード(FF)ショップに参入して4ヵ月が経過した。低価格と野菜重視のメニューで既存バーガーチェーンとは一線を画した店づくりに挑戦している。客単価は400円前後、バーガーよりタコスセットが人気を集めている。

十条店はJR京浜東北線十条駅から数分、商店街のビルイン立地。延床面積は93平方メートル、席数78席(1~2階合計)、営業時間は午前8時~午後9時。実験立地として超一等地でなく北区十条を選択したことについては「客が集まりすぎると商品の価値が分からなくなる。商品力を試してみたいため」(広報室)としている。

同社はこれまでも健康的でおいしいイタリア料理を低価格で提供してきた。今回のFFショップもより新鮮なものをより安くとの考えで、野菜は農場(福島県白河市)の開墾や種苗の開発などに5年をかけた。また、2001年にオーストラリアに自社工場を稼働、改良を重ねてハンバーグに合うパテを開発した。同工場はFF展開を想定しての設立だった。

メーンメニューはハンバーガー(全3種)、バンズサンドイッチ(同2種)、タコス(同3種)、ソフトタコピザ、サラダ(同3種)で、このほかスープ2種類、ドリンク全9種、ポテトセット(ポテト+ドリンク)。価格はハンバーガーが100円、150円、200円、タコスは全品150円、サンドは200円、ドリンクはオール150円と低価格。ポテトセットでも200円だ。

「十条は古い街で40~50代の主婦に気軽にご利用いただいている。開店がちょうど夏休みに当たり、新学期に入って短大・高校生の立ち寄りが増え浸透してきた。1品単価が低いため、客単価の平均は400円前後。イメージしている売上げ数字にはいっていないが、リピート客が増えているのは明るい材料。バーガーよりタコス+スープ、タコス+サラダといった組み合わせで、おやつ代わりのタコスに人気が出ている。急速な多店舗化をせずに、当面は実験店で地元に根づいた運営を強化していく」(同)。野菜重視という点ではモスバーガーと比較してしまうが、全く新しいチェーンを狙っていくとしている。

なお、イート・ランの店舗シンボルマークは月、太陽をイメージする楕円にウサギを配置したもの。ウサギはニンジンをくわえて畑を素早く駆け回るイメージがあり、軽やかに跳躍する姿はスリムで健康的なイメージ。新鮮で採りたての野菜を提供するイート・ランの象徴と位置付けている。

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