お店招待席 カンボジア料理「メコン川」(東京・目黒) ベトナムとタイの中間料理

1993.07.05 31号 8面

《スパイス 多用の料理 》 JR目黒駅東口から約一分ほどのところ。五階建てビルの二階。店舗面積三五坪。客席は全部で五〇席。七年前のオープン。

店内はいかにもエスニック料理の店という雰囲気で、カンボジア製のオブジエが飾ってある。

カンボジアといえば、UNTACの選挙活動で注目されたが、この国の料理は隣国のベトナムやタイの影響を受けて、独特の料理内容をみせている。

カンボジア料理は、唐辛子やコリアンダー、トクタイ(魚で作った醤油)などのスパイスや調味料を多用して、辛味のある料理が多い。

だが、この店の場合は、辛いメニューには「辛」と表示してあり、好みのものを選択することができる。

料理アイテムは八〇種類ほどだが、かくしメニューとしてさらに二、三〇種類くらいはある。定番メニューの三分の一は辛くないもので、日本人の口にもよく合う。

店の人気メニューは、揚春巻や米そば、豚の脂身、焼鳥肉などをレタスで包んで食べるボンホイ二五〇〇円、野菜にのせて食べる海老ミソと豚の挽肉炒め一五〇〇円。このほか単品メニューとして春雨炒め八〇〇円、魚入りチャーハン、鳥肉カレー八五〇円、牛肉カレー九八〇円などとなっている。

《日本人の味覚 に合った料理 》 カンボジアも日本同様に米を主食としているので、やはり米を使った料理も多い。また、野菜を多用するというのも一つの特色となっている。

「カンボジアの料理は、ベトナムとタイの中間的な料理といった感じのものですが、米を常食としている国ですから、米を使った料理も多いんです。味付けは全般的に辛いものですが、この店では辛さを抑えた料理も提供しておりまして、日本人の口に合うものもかなりあります」(フロアマネジャー松田千恵子さん)。

料理の提供は利用人数で選べるよう大・中・小というように三種類のボリュームに分けており、一人でも多人数でも自由に料理にバリエーションを広げることができる。

料理づくりは東南アジアの料理人が担当しているが、カンボジア人は店のオーナーと店長の二人だけ。

利用客は若い女性とカップル客が八、九割を占める。客単価は夜で三〇〇〇円前後。

・住所/東京都品川区大橋2‐16‐4甲陽ビル2階

・電話/03・3442・6664

・営業時間/12~13時30分、17~23時(日・祝日夜のみ)無休

(しま・こうたつ)

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