ケータリングカー、丸の内の弁当ビジネス 10台が集まる激戦区

1993.07.05 31号 2面

ケータリングカーの営業形態は、個人開業、店舗(飲食企業)の直営移動販売、専業企業によるチェーン(FC)展開と、いくつかのパターンがある。

また、商品の提供についても、調理済みの弁当販売と車内での調理販売というように、大きく分けて二つの形態がある。前者は既存店舗やCKにおいて、営業前の「見込み生産」、後者はよりおいしく、ホットなものを提供するために現場での「受注生産」というパターンだ。

見込み生産は、いわば“量産方式”の商品提供だが、状況の変化によって売れ残りを出すというリスクを有している。これに対し受注生産での商品提供は、商品のムダは抑えられるが、短時間のうちに効率よく販売するという利点は望めない。しかし、ホットな商品を提供するということで、固定客づくりにはメリットがあるようだ。

いずれにしてもケータリングカービジネスは、人が安定して往来する場所が前提になるが、そういう視点においては、ビジネス街がベストロケーションになる。都心でのケータリングのメッカは、丸の内や新宿西口の超高層ビル街だが、最近は新宿地区の交通規制が厳しいために、多くのケータリングカーが丸の内地区に移動してきているという。

このため、オーバーストアならぬ“オーバーカー”気味で、客数が減少傾向にあるという見方もされている。丸の内のケータリングカー事情を取材してみた。

場所は永代通りから有楽町方向、丸の内一丁目地区で、このブロックには、新丸の内ビルをはじめ、東海ビル、東京海上ビル新館、永楽ビル、日本興業銀行などの大型ビルが林立しており、昼どきにはサラリーマンやOLなどの往来で賑わうところで、ケータリングカーが一〇台近く出店する“激戦地区”だ。

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