電化厨房特集:中華厨房革命! 炎の料理にも電化厨房の波
中華料理こそ電化厨房で調理! いま、中華料理の長い歴史に新たな1ぺージが刻まれようとしている。クール、クリーン、コントロール、コンパクト、コストメリットの5Cメリットを誇る電化厨房は、厨房改革の切り札として、多方面で採用が相次いでいる。ここ数年で、電化調理機器の性能も著しく進化。かねて不向きと叫ばれてきた中華厨房にも、電化厨房の波が押し寄せているのだ。
電化厨房が中華厨房に進出している要因のひとつに、IHレンジ(電磁調理器)の火力の強さがあげられる。現在のIHレンジは、以前に比べて性能が大幅にアップ。炎と同様の調理が可能となっている。
しかもIHレンジは、立ち上がりと火の通りが早く、炒め調理の多い中華料理には最適。調理時間の短縮はもとより、素材の持ち味と食感を引き出し、野菜も色鮮やかに仕上がる。
もうひとつの理由は、クールでクリーンな厨房環境が実現できることだ。夏季の中華厨房は、室温40度C以上が普通だった。だが、熱効率が高く排熱の少ない電化厨房ならば、室温30度C以下の快適な室温を実現できる。
また、調理の油煙が少ないため、中華厨房特有の油汚れも軽減できる。快適環境とクリンネスのメリットは、料理人の意識改革と定着率の向上、優秀な人材の確保などにも大きく貢献している。
第3の理由は高い安全性にある。中華料理は、調理時に強い火力を必要とする。そのため、やけど事故や熱気で呼吸器を傷める調理人も多かった。また、ガス厨房ではダクトに溜まった油への引火や、火の消し忘れによる火災事故の心配もある。
これらの問題も、直火が無く放射熱の少ない電化厨房なら一挙に解決できる。同時にオープンキッチン改装や高層ビル出店など、ビジネスチャンスも広がる。
また、電化厨房のコスト削減効果も魅力的だ。強い火力を要する中華厨房は、調理時に火をこまめに消すのが難しい。IHレンジは、鍋がヒーターから離れると自動的に電気が切れる。つまり無意識のうちに節電できるのだ。
しかも、料金の安い深夜電力と電化厨房契約などの割引料金を活用すれば、相乗効果で売上げアップ以上の経済効果が期待できる。
現在、日本で活躍する中国人料理人からも電化厨房を絶賛する声があがっている。
「中国本国で電化厨房を実現したい」と希望する料理人もいる。中華厨房の電化厨房は、国内のみならず世界に向けて広がる勢いだ。