成長続く「複合カフェ」 ネットカフェ、こだわり個性派揃い

2006.06.05 315号 7面

マンガ喫茶、インターネットカフェなど飲食以外のサービスを併せ持つ「複合カフェ」が新勢力として市場を拡大している。

中でも注目されるのが「インターネットカフェ」。店舗内に設置された数台のパソコンをブロードバンド回線を使って、ネットサーフィンを楽しむ有料施設で、まんが喫茶から始まるカフェの複合化により誕生した。デラックスな個室、個性的でファッショナブルなネットカフェも目立ち、女性客も多く、友人同士やデートスポットとしても利用されている。風営法の適用除外を意識して、ペア席の扉を設置しない店も多い。

利用料金は、各店舗により相当な違いがあるが、平均的には1時間当たり300~500円程度で、滞在時間に応じて課金されるシステムが基本となっているが、2時間、4時間、8時間などパッケージ料金を設定している店舗が多い。中には24時間利用のワンデーパックが、1000円など激安店も点在する。いずれもフリードリンク制が大半を占める。

フランチャイズでネットカフェを展開するアイ・カフェは、コーヒーの豆にもこだわりを持っている。オリジナルブレンドの豆から、業務用のマシンで抽出するコーヒーは、シアトル系カフェにも劣らない味と自負する。また、リバティハウス(伊勢崎町店)は、店内の全41台のパソコンがハイスペックというこだわりが特徴的。

店舗内では、オンラインでのコミュニケーションだけでなく、複数との会話も楽しめ、新感覚の社交の場ともなっている。

日本複合カフェ協会(JCCA)によると、複合カフェの発祥は、1970年代後半の名古屋といわれ、その後1990年代後半に東京で急増し、全国的に普及した。

従来のカフェとは違う複合カフェのシステムは、当初の時間制喫茶店型といわれる1ドリンク制(1注文で一定期間滞在が可能)から、図書館型といわれるフリードリンク制(入店から退店までの滞在時間に応じて課金をし、ドリンクなどはすべてフリーとする)が主流となっている。その後、パソコン(インターネット)やテレビゲーム、DVD・ビデオなどのコンテンツがサービスとして追加され、現在の複合カフェと呼ばれる形態が誕生した。

04年8月時点、全国に約2500件の複合カフェが存在(関東地区793件、東海地区545件、近畿地区389件など)しており、5年後4300件、10年後には6300件と予測。現在2000億円程度の複合カフェ市場規模は、5年後2570億円、10年後には3800億円と、同協会は予測している。

一方、矢野経済研究所(YRI)が複合カフェの利用経験者1126人を対象に昨年12月に実施した「複合カフェの利用実態調査」によると、利用目的は「時間つぶし」35・1%が最も多く、「漫画を読みたい」29・0%や「インターネットをしたい」18・4%という具体的な行動を上回る結果となった。

利用頻度では「まだ1回しか利用していない」が24・9%で最も多く、次いで「3ヵ月に1回くらい」が24・3%だった。この2つの回答が約半数を占めていることから、利用経験の浅い利用者が多いことが分かった。

複合カフェに対する満足度については、「非常に満足した」が7・9%、「まあまあ満足した」が52・7%で、全体の約6割は満足したと回答。ちなみに「満足しなかった」は4・3%にとどまっている。

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら