業務用加工食品ヒット賞・和食:流し麺冷凍(ハード)シリーズ(加ト吉)

2006.09.04 319号 2面

■和食部門:「流し麺冷凍(ハード)シリーズ」 (株)加ト吉

◆お湯要らずの流水解凍

(株)加ト吉(本社=香川県観音寺市、電話0875・56・1201)は、うどんの本場讃岐にあって、讃岐独自の技法を生かした冷凍麺「カトキチの本場さぬきうどん」を開発。そのおいしさが消費者に支持され、冷凍麺の新しい市場を形成するとともに、冷凍麺のパイオニアとして冷凍麺市場に次々と業界をリードする商品を開発してきた。

その冷凍麺のトップメーカーとして、夏期の業務用市場で火を使わず、大量に調理できる流水タイプの本格的冷凍麺の開発に着手したのは自明の理であったといえよう。

冷凍麺といえども、調理では湯もどしが必要。夏期の調理の手間は大変で、特に大量調理の場合など、保存の難しさなどで提供できる範囲が限定されていたが、冷凍麺を流水で解凍するだけで調理がOKという「流し麺冷凍(ハード)シリーズ」は調理の便利さと、従来から培ってきた冷凍麺の経験と技術で、長時間コシを「ゆでのび」しにくくしたことで、使用範囲が一気に拡大した。

せっかくのおいしいうどんも、時間が経過すると「ゆでのび状態」となり、調理直後のおいしさが維持できない。麺はゆであげた直後に断面の水分が、中心部で50%、外側部で80%とこう配がある。それが時間とともに、次第に水分が移行して、全体が均一な状態となり、膨張糊化したでんぷんが老化して「ゆでのび」現象が生じる。

つまり水分差が麺のコシを決定する。それを防止するため、ゆであげの状態で最大氷結晶生成の温度帯を速やかに通過する独自の「急速冷凍」での生産や、引圧加工で加水率を52~55%の超多加水麺体にしたこと、アルファー化が均一になる、PHの調整による肌荒れ防止、圧延工程の多段化を含めた、数多くの技術(一部特許)により冷凍麺が開発されたが、流水タイプはそれに原料を商品特性に合うよう厳選して麺のコシを長時間維持できる品質として商品化したもの。

一昨年から市場でテスト販売をしたが、人気が良く、ユーザーの要望もあり、日本そば、中華ラーメンも商品化され、より幅の広い市場への対応を図って、昨年から本格的に発売された。

「流し麺冷凍(ハード)シリーズ」は流水だけで、うどんで平均3分、日本そば、中華ラーメンとも1分半の解凍調理で、ゆでのびしにくいことから、多人数の宴会や、仕出しへの対応も前もって準備できる。また消費者が、こんなものだと思って購入していたうどん弁当などの調理麺は、イメージが一新したなどのユーザーの声も上がっている。

このため旅館や、外食店での使用や、スーパーの惣菜売り場での使用が増加している。また夏期需要だけでなく、調理の手間が省けると年間需要化の傾向も見え始め、従来の冷凍麺とはシーンで分け合い、マーケットを形成していくものと予想されている。

◆冷やし中華

作り方/(1)「流し麺冷凍ラーメン(ハード)」を凍ったまま流水解凍(約3分)し水気を切る。(2)中華麺を容器に盛り、キュウリ、ハム、椎茸煮、錦糸卵、ボイルエビをトッピングする。(3)グリーンリーフ、トマト、チェリーを添え、冷やし中華スープを添付する。

◆すしセット/うどん

作り方/(1)「流し麺冷凍うどん(ハード)」を凍ったまま流水解凍(約3分)し、水気を切る。(2)容器にうどんを盛り、握りずし(マグロ、イカ、蒸しエビ、煮アナゴ、サヨリ)、天ぷら(ナス、カボチャ、大葉)、野菜類を盛り付ける。(3)うどんつゆを添付する。

◆すしセット/そば

作り方/(1)「流し麺冷凍そば(ハード)」を凍ったまま流水解凍(約3分)し、水気を切る。(2)そばを一口サイズにまとめ、容器に詰める。(3)手まりずし、巻きずし、エビ天ぷらを詰める。(4)ウズラ卵、ネギを添え、そばつゆ、冷凍山芋とろろを添付する。

◆懐石・うどん鍋膳

作り方/(1)「流し麺冷凍うどん(ハード)」を凍ったまま流水解凍(約3分)し水気を切り、小鍋に使用する量を1人前ずつ取り分けておく。(2)小鍋にうどん、エビ、野菜を盛り、つゆを張る。(3)他の料理とセットする。※うどんは8時間たっても十分にコシが強い。

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