特集・進化するラーメン:元祖カレーラーメン「味の大王総本店」全国展開へ

2006.11.06 321号 22面

“元祖カレーラーメン”で人気の「味の大王総本店」(苫小牧市、(有)味の大王・高橋浩一店長)は、“一麺入魂”をモットーにカレーラーメン伝道師として全国展開へ向け動き出している。

味の大王は、父で先代の高橋一郎氏が苫小牧大町で創業した。当時、札幌味噌や旭川醤油、函館塩に負けない苫小牧の味をつくろうと試行錯誤するうち、一般大衆食として人気の高いカレーライスとラーメンのおいしさを融合させ、1965年、ついに「カレーラーメン」を誕生させた。当初は「際物だ、邪道だと言われて全く売れなかった」と高橋店長はいう。そのうち徐々に口コミでうわさが広がり、いまでは「うまいカレーラーメン、味の大王」と知られる大人気店となっている。

94年から苫小牧市植苗に移転し、総本店として営業中。チェーン店は錦町のほか白老、振内、登別温泉、新札幌がのれん分けで展開。

よく元祖はどこ? と聞かれるが「65年、先代の手によって誕生したもの。室蘭などの店でカレーラーメンと盛り上がっているが、そのオーナーは先代の弟子なんです」と言う。

味の大王では、平均で平日100食、週末200~300食が売れ、5~6割がカレーラーメンを注文する。スープは豚の頭からとっただしをベースに、20種類の香辛料と野菜を混ぜ1週間寝かせたもの。それに絶妙なとろみがおいしさの秘密。

また、北海道産の素材を使ったギョウザにもこだわり、道産ラムを使った「ジンギスカン」「苫小牧産のホッキ」「キトビロニンニク」「ウトナイ湖産川エビ」もファンが多く、あらたなギョウザも計画中とか。さらに川上幸一副店長が考案した「別ばらめし」は「チャーシューを香ばしく炒め、ご飯と混ぜ、そこに余ったカレーラーメンのスープをかけて食べる、まさに別ばらで入っちゃいます」と人気上昇中。

高橋店長は「先代がつくった北海道・苫小牧の味『カレーラーメン』、この味を守り続けてきて、いま北海道で知られるようになった。これから味の大王カレーラーメンを全国に発信していきます」と夢を膨らませる。

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