関西版:トーホー、直営の楽農レストラン「育みの里 かんでかんで」オープン
業務用卸トップ企業の(株)トーホー(神戸市東灘区、電話078・845・2523)は11月11日、楽農レストラン「育みの里 かんでかんで」をオープンした。これは神戸市の(社)兵庫みどり公社の運営する「兵庫楽農生活センター」で、05年4月から同社が参画していた楽農交流事業の一環。このレストランは農作業体験、里山再生、キノコ栽培に続く4つ目の事業となる。
レストランコンセプトは、幅広く県民が気軽に利用でき、同センターの農園で収穫した野菜を中心に「農」を料理し、旬や鮮度、食事のマナー、食の楽しさを体験し、食育・食農を形にすること。
地産地消を基にしているので、農園で収穫した野菜、丹波・但馬の山の恵み、明石の海の幸など、兵庫県下の食材を中心に調理し、添加物はほとんど使用せず、加工品を一切使っていない。ランチは、同センターの農園で育った朝どり野菜や地元の野菜が中心のブッフェスタイルで大人1500円。メニューは野菜の旬に応じて季節ごとに変更する。ディナーは、ランチと同スタイルのサラダバーのほかに、「但馬牛のサーロインステーキ」「播州地鶏のグリル焼き」「野菜たっぷりビーフシチュー」など9品の単品メニューが用意される。単品メニューをオーダーすると通常1000円のサラダバーが500円になる料金設定。
「育みの里 かんでかんで」という店名は、「食べることの楽しさ」を感じる場になるようにとの思いを込めての「育み」と、「里山」に隣接した立地から「育みの里」に。また、この地からたくさんの神々が生まれたとの伝説からついたとされる地名「神出」(かんで)と、「よくかんで食べてほしい」との思いを掛け合わせ「かんでかんで」とした。
同社の企業理念「食を通して社会に貢献する」を実践するために、昨年4月から神戸市西区の楽農生活センターで、野菜栽培の体験や里山づくり体験を行っている。夏には自分で植えたトマトやオクラ、唐辛子、ジャガ芋を収穫したり、秋にはクリ拾い体験を実施し、子どもたちへの食農・食育活動に努めている。
「農」を通じて、人と人とのふれあいや命の大切さを実感する場を提供しながら、安心・安全、環境、健康に加え、目の前でとれた食材で「おいしさ」を提供する施設としてセンター内にレストランを開業した。来年にはレストラン前に野菜の直売店舗も開設する。現時点では、アクセスが不便なため集客が難しく採算が合うまでには時間がかかると見ているが、利益目的ではなく社会貢献活動として取り組んでいく方針。
「今後は楽農体験とレストランで季節の野菜を味わう『食べる体験』を合わせた企画で、学校関係、企業、料理学校、経済団体に広く案内したい」(碓永由幸楽農生活センター長)としている。利益捻出後は次の食育活動につなげ、5年以内の農業法人化を目指している。
◆楽農レストラン「育みの里 かんでかんで」(神戸市西区神出町小束野30‐17、電話078・964・3008)営業時間=午前11時~午後3時、5時~9時/席数=70/定休日=水曜日/料金=(昼)ブッフェ大人1500円、小学生800円、65歳以上1200円、(夜)サラダバー1000円/目標月商=900万円