メニュートレンド:お茶漬けオムライス 宇治丸「京都オムライス ルフ」

2007.02.05 324号 3面

京都市中京区の「京都オムライス ルフ」は、風情たっぷりの先斗町にあるオムライス専門店。路地内にある立地のため、隠れ家のような雰囲気も漂う。同店では、オムライスをお茶漬け風に食べるという、ユニークなメニュー「宇治丸」(1260円)を考案。オーダーの20%を占めるという人気メニューとして脚光を浴びている。

京都オムライス ルフは、来店客の80%が女性で、休日や観光シーズンには行列ができるという人気店だ。メニューアイテムは、定番が12種類に季節メニューも用意されているが、なかでも異彩を放つのが宇治丸というオリジナルオムライスである。

そのメニュー内容を一言で説明すると、「ウナギのお茶漬けオムライス」である。ウナギのお茶漬けといえば、名古屋名物の「ひつまぶし」を連想するが、味わいはまったくの別もの。ポイントは、ウナギのかば焼きではなく、ウナギの佃煮を使っている点だ。

佃煮は自家製で、ウナギを醤油やみりん、酒などで4~5時間かけて煮込んで作る。お茶漬けに合うように、濃い口に調味し、葉唐辛子や実山椒、すりおろしたワサビも加え、インパクトの強い味に仕上げる。それをご飯に混ぜて、ほかのオムライスよりも薄めの卵で包み、アオサ海苔と五色あられをトッピングし、煎茶を添えて提供する。オムライスを崩しつつ味わえば、スパイシーな風味とお茶の風味がマッチ。独特な味わいの虜になったリピーターは数多いという。

「最初は食欲が出るように夏向けのメニューとして開発したもの。それに京都らしい特徴を加味しました」とオーナーシェフの大黒一仁さん。「いまや通年人気の名物メニューと化しています」という。

また、「京都オムライス」(780円)も必見だ。オムライスの中にポーチドエッグが入っており、スプーンを入れると、とろりと卵が出現する。こちらも1日20食限定の人気メニューだ。

これらのオムライスに使うご飯はすべて、食感のアクセントを楽しませるため、白米と玄米を9対1の割合でブレンドしている。また、メニューにより、ソースやライスの調味をアレンジ。そのオムライスならではの特徴を追求している。

「今後は、よりカジュアルなオムライスを考案し、テークアウトにも挑戦したい」という大黒さん。アイデアシェフならではの店づくりに期待したい。

「京都オムライス ルフ」/所在地=京都市中京区先斗町四条上ル17番ロウジ、電話075・223・2455/開業=1996年/営業時間=午前11時30分~午後3時、5時~9時30分。火曜定休/坪数・席数=約17坪・30席/客単価=1230円/1日来店者数=平日約80人、休日約180人/平均月商=約300万円/スタッフ数=3~6人

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら

関連ワード: メニュートレンド