関西版:丹波姫もみじ、「丹波鹿」でジビエ料理を
狂牛病や鳥インフルエンザ発症などを追い風にジビエ料理の静かなうねりの到来が予感される中、「エゾシカ」に続く生育頭数を誇る「丹波鹿」の普及に取り組んでいる民間のシカ肉処理施設がある。(株)丹波姫もみじ(兵庫県丹波市、電話0795・82・6333)がそれ。「おいしい」「ヘルシー」といったシカ肉のメリットを、調理法やメニューとともに発信している。
丹波市で、シカによる甚大な農作物被害が起き、捕獲に多額の税金が使われ、後処理にも苦慮している現状から同社の柳川瀬正夫社長は「自然循環型食材として食用への有効利用は自給率向上にもなる。黒豆やクリとともに丹波名産品として地域振興にもつながるはず」と言う。
シカ肉は、牛や豚肉よりカロリーが約3分の1、脂肪分約15分の1と少なく、タンパク質や鉄分の含有量が多い。加熱すれば衛生問題もない。調理の際、スパイスやハーブを多めに使い、硬くならないよう短時間調理を心がける。ローストやたたき、カツレツなど幅広い肉料理に応用できる。
「おいしい赤ワインとともに丹波鹿メニューを提供し、他店との差別化につなげてほしい」との提案もしている。