メニュートレンド:すべてが串料理の新専門店 「串36(miroku)」

2007.07.02 330号 2面

焼鳥、串揚げ、串焼きなど、私たち日本人が大好きな「串料理」。だが、それぞれが専門店として確立されているために、店ごとに食べられる種類が決まってしまうことに不満を感じたことのある人も多いことだろう。そうした専門店のさまざまな料理を気軽な値段で楽しめる店が渋谷にオープンし、話題となっている。

2007年3月1日にオープンした「串36(miroku)」の串料理は全部で50種類あり、1本が100~500円。定番の串揚げ、串焼きのほかにも、薫製、和串、洋串と、あらゆる料理を「串」を使って提供している。

「串料理の魅力は、『1本1人分』という明確さにある」と店長兼料理長の楠原敦氏。確かに、会社の上司と来たときに料理を取り分けることに気を遣わなければならない、他人が箸をつけた料理に抵抗があるといった人にとっては、気軽に楽しめる店だろう。

また、少人数で居酒屋へ行った場合、注文できる品数は限られてしまうが、串料理ならば、たとえ1人でも1本単位でさまざまな種類の料理を食べることができる。ちなみに同店では、1人当たりの平均本数が、男性ならば10~12本、女性は8本という。

これは女性の「少しずつたくさんの種類が食べたい」というニーズにもマッチしており、同店の客層の約6割が20~30代の女性ということからも証明できる。

すべてが手作りで、「気軽な値段で本物の味を知ってほしい」と選び抜いた食材を使っている。例えば、野菜は鮮度を重視して近郊の千葉県産、埼玉産を使い、白金豚、大麦牛、富士鶏といった銘柄肉、そのほかにも水牛100%のモッツァレラチーズであるボッコンチーノなど、ホテルや一流レストランで使用している食材と遜色ない。

同店の特徴は串料理だけではない。ドリンクにも、さまざまな工夫がある。

例えば、飲み放題メニューとして取り入れた「ドリンクバー」(テーブル席での利用は2000円、立ち飲み1500円)。女性に人気の梅酒だけでも10種類以上、焼酎も芋、そば、麦、コメ、黒糖、シソ、クリなどが60種類以上、そのほか、日本酒、ワイン、果実酒と専門店に劣らない品揃えだ。中には1杯1000円以上もする、いわゆる「プレミア焼酎」もあり、普通ならば考えられないほどのお得感だ。

これら100種類以上の中から自由に選び、好きな量だけ注ぐことができる。この形式ならば、気軽にテースティングもできるので、「ぜひ好きな酒を探してほしい」と楠原氏。

また、フレッシュ野菜ジュースを使ったカクテル(600円)も、季節ごとに10種類以上を揃える。手間がかかるフレッシュジュースを使った野菜カクテルを導入した理由は、酒を飲みに来ても「野菜だから」と罪悪感なく楽しんでもらえるからだという。

ほかにも酢やベリー類を使った健康サワーなども充実しており、「おいしくて健康になれる店」として、女性客を中心に、さらに人気を集めていくことだろう。

◆「串36(miroku)」/経営=(有)ノビックス/店舗所在地=東京都渋谷区宇田川町35─6 下田ビルB1F/開業=2007年3月/営業時間=午後5時~午前0時(日祝日は午後4時~11時)/坪数・席数=28坪・40席(スタンド20席)/客単価=4000円/1日来店客数=平日50組、週末70組/目標月商=800万円/スタッフ=4~6人/初期投資=4500万円

◆人気メニュー(価格・1日食数)

1位・「たまご」(100円・20食)=薫製にしたゆで卵を串に刺して提供。香ばしさが人気。

2位・「アスパラ肉巻き」(200円・20食)=新鮮なアスパラに豚ばら肉を巻き付けて揚げている。

3位・「富士鶏正肉」(250円・15食)=くせがなく、軟らかい富士鶏の正肉の串焼き。塩かたれを選べる。

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