０５年に、協和発酵工業（株）食品カンパニー部門が協和発酵フーズ（株）として分社化した。原料米をじっくりと発酵・熟成させて作り上げる、独自の本格醸造技術を駆使した醸造調味料「錦味」シリーズは、従来から加工食品メーカーなどを中心に、高い評価と納入実績を上げてきた。シリーズとしてみりんタイプ、清酒タイプ、ワインタイプなど用途別に取り揃えており、０５年の分社化を機に中食・外食向け業態へ本格参入した。同社の強みを生かせる商品として「錦味」シリーズみりん風・清酒風の１・８リットルペットボトルの販促を開始した。

少子高齢化や健康志向の高まりによる和食回帰により、この数年、発酵調味料業界は堅調に推移しているが、同社の「錦味」シリーズは品質とコストパフォーマンス、トレースできる原料への信頼性から、業務用においては、特にみりん風（原料=コメ、ブドウ、米麹、酵母、糖類、アルコール、食塩。荷姿=１・８リットルペットボトル×６）と清酒風（コメ、米麹、酵母、糖類、アルコール、食塩。荷姿=１・８リットルペットボトル×６）が好調に推移し、ともに２ケタ近い伸びとなっている。

「錦味」シリーズの特徴は調理効果にこだわった「発酵もろみ」を活用している点であり、高い実績に培われた経験とノウハウを生かした独自製法によるものである。その調理効果としては、（１）食品のいやなにおいの抑制（２）食欲を増幅させる好ましい風味を付与（３）味の染み込みをよくする（４）味をまとめる（５）まろやかな甘みや照りつやの付与（６）煮崩れ防止、などが挙げられる。

醸造調味料は自身の味を主張するのではなく、素材の味を生かす形でさまざまな調理効果をもたらすため、和食を始め中華、洋食、エスニックなど多くの調理でその効果を発揮する。

「もともと業務用では中華関係の品揃えが多かったが、『錦味・みりん風』と『錦味・清酒風』の販路拡大で発酵調味料という自社の強みを生かしながらのソリューション（顧客の課題解決）営業に手応えを感じている。既成概念にとらわれずに外食、中食市場に新たな提案をしていきたい」（調味料事業部志村秀知アシスタントマネジャー）と、社内でも意識改革が高まっている。

◆商品規格=１・８リットル紙パックなど各種

●チキンカツ煮

作り方／（１）鶏むね肉は均一な厚さに包丁を入れ、塩、コショウする。（２）小麦粉、全卵、パン粉の順にまぶし、１６０度Ｃの油で揚げる。（３）お湯、だし顆粒かつお風味、こく路Ｈ、「錦味・清酒風」「錦味・みりん風」、上白糖、醤油を入れ、玉ネギを煮込む。（４）（２）を加えて一煮立ちさせる。

●ふろふき大根

作り方／（１）お湯、だし顆粒かつお風味、こく路Ｈ、「錦味・清酒風」「錦味・みりん風」、塩を合わせる。（２）豚ひき肉を炒め、（１）を少しずつ加えて煮込む。（３）（２）に上白糖を加え一煮立ちしたら味噌を加え水分をとばし水溶き片栗粉でとろみを付ける。（４）だしで煮た大根にかける。

●肉じゃが

作り方／（１）サラダ油を熱し、豚ばら肉を炒める。（２）ジャガ芋、ニンジン、玉ネギを加え炒め合わせる。（３）お湯、だし顆粒かつお風味、こく路Ｈ、「錦味・みりん風」、上白糖、醤油を加え、落とし蓋をし弱火で汁気が少なくなるまで煮詰める。（４）キヌサヤを飾る。

●切り干し大根の煮物

作り方／（１）切り干し大根を水戻しする。（２）鍋にお湯、だし顆粒かつお風味、こく路Ｈ、「錦味・みりん風」、上白糖、醤油を入れて煮立て、（１）、ニンジンを加え汁気が少なくなるまで煮詰める。（３）ゆでたインゲンを飾る。