宅配サービスの注目株(4)ストロベリーコーンズ「ナポリの窯」

2007.11.05 335号 23面

宅配ビザチェーン「ストロベリーコーンズ」(152店舗)は、宅配ピザ市場の価格競合から抜け出すブラッシュアップ策として、新たなストアブランド「ナポリの窯」を立ち上げた。アメリカンピザからイタリアンピッツァに回帰する本物志向の次世代戦略として、既存店のリニューアル(業態転換・複合店化)を推進している。

ナポリの窯の売り物は、最高450度Cに達する石窯で一気に焼成したナポリピッツァ。「外側がパリッとして中がモッチリ」とした食感が特徴だ。石窯は、メーカーと共同開発した専用の石窯。従来のジェットオーブンに比べ、高温・短時間かつ独特な熱対流で焼成できるため、素材の水分を損なうダメージが少なく、持ち味が十分に発揮されるという。

2005年2月、外食激戦区で不振だった仙台長町店をリニューアルする形で1号店をオープン。翌々月の月商は転換前に比べ倍増の700万円強を記録し、展開に本腰を入れる運びとなった。現在、完全な業態転換は35店舗、ストロベリーコーンズとの複合店は25店舗、同じブランド名のナポリの窯のレストランタイプは5店舗を数える。

転換後の実績はおおむね売上げ50%アップと好調だ。なにより本格的なピッツァに回帰する再スタートは、FCオーナーのモチベーションを喚起する効果もあり、これが実績以上の収穫となっている。また、追加投資300~400万円で業態転換できる低リスクも魅力で、低迷する同業他店からの加盟打診もあるという。

「少子高齢化と消費者意識の成熟により、本物志向と基本回帰のニーズは今後が本番」と宮下雅光社長。「チェーンビジネスの場合、同じことを続ければ価格競合は必至。市場変化を踏まえた業態改革は、価格競合を避けると同時にステップアップにもなる。ワンランク上の商品政策で成熟社会の高単価ニーズに対応し、いち早く価格競合の脱却を図る」と意気込む。

今後は情報化戦略に努めてきた同社の蓄積をもとに、(1)ストロベリーコーンズ(2)ナポリの窯(3)両ブランドの複合店(4)ナポリの窯のレストラン、この4つの店舗モデルを持って各商圏に最適な業態展開を図る考えだ。

◆「ナポリの窯」/企業名=(株)ストロベリーコーンズ/本社所在地=東京都港区浜松町2-7-16 第3小森谷ビル6F、電話03・3432・8215

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら