企画特集=持ち帰り寿司・回転寿司の市場戦略 京樽

1993.12.06 41号 13面

京樽は総店舗数約八〇〇店、年商八〇〇億円に迫る東証一部上揚企業だが、積極展開してきたファミリーレストランが不振で、経営の足を引っぱる形になっており、大きく体質改善を強いられている。

このため、小回りが効き、収益力のある持ち帰りずしの出店に力を入れ、この分野の戦略を活発化している。

京bMの持ち帰りずしは、価格帯別に次の七つの業態に分けて展開しており、店の性格づけと共にキメ細かな出店策をとっている。

「京味燈」「関山」‐ベター・プライス(消費単価一二五〇~五〇〇〇円)

「京樽」「山重」‐モデレート・プライス(同八〇〇~一二五〇円)

「きふね」‐アッパーポピュラー・プライス(同七〇〇~八〇〇円)

「デリカきょーたる」「重吉」‐ミドルポピュラー・プライス(同四五〇~七〇〇円)

これらテイクアウトショップの出店数は、今年9月末現在六八〇店だが、このうち最も店舗数が多いのが「京樽」で、計四五六店と七割近くを出店している。テイクアウトショップの中でもより積極的に出店に力を入れている業態で、売上げも全体八〇〇億円(九二年12月期)のうち五割のウエートを占めている。

極めて貢献度の大きい業態であるわけだが、テイクアウト部門トータルでは七割の売上げ比になり、京bMの企業業績はテイクアウトすしショップに、大きく依存しているといっても過言ではない。

京樽の店舗規模は厨房を含めて一〇坪。立地条件は駅前商店街のほか、駅ビル、デパート、ショッピングセンターなどで、この立地戦略は各業態ともに共通のものだ。

売上げ月商六〇〇万円が標準で、商品はバッテラ、茶きんなど上方ずしなどを主体にして、釜めしなど季節商品や詰め合わせ商品六〇種を揃え、独自のすしマーケットを切り拓いている。

価格は四三〇~三一〇〇円まで。客単価九八〇円。商品開発は「安全」「安心」「健康志向」の三つの要素を背景としているが、たとえば、米は無農薬のものを使用しているといった具合だ。

米といえば、冷夏で仕入れコストが上昇してきているが、これは米以外を含めトータルでの食材コストで捉え、仕入れの変更や新ルートの開発、経営の効率化などで、この上昇分を吸収し、販価には上乗せしない方針だ。

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