絶対失敗しないための立地戦略(34) テナント入居時の判定項目

1994.03.21 48号 10面

優良業者と仲良く

テナント情報や物件情報を常時チェックしておくように先号で述べたが、この場合、その情報入手については、不動産仲介業者を通して行うことが大半となるが、不動産仲介業者にもピンからキリまであり、千差万別。事務所や構えが立派だから信用できるとは限らず、小さな店舗で古めかしく、親父が一人で切盛しているような街中の業者が、実は、その街で一番古く、信用もあり、顔もきき、人脈のある人物だったりすることもある。

どれだけ有能で、情報網に通じている誠実な業者に出会えるかで、新規出店などの場合、店づくりの半分以上が決まってしまう‐‐といっても過言ではない。したがって、長い目で見れば、既存店、新規出店にかかわらず、優良な不動産業者と知り合いになり、仲良くしておくことは、経営上からも極めて重要であることをここで再度訴えておきたい。(不動産業者の選定については、シリーズNo.12号参照)

資本力があれば別だが、通常の飲食店の場合は、総投資額が限られているケースが大半であり、出店の場合はほとんどがテナントとしてビルなどに入居するケースが多い。

そこで、不動産について触れたのを機に、ここで実際の物件についての「判定チェック項目」を述べておこう。

看板など訴求力は

不動産、テナント情報で、これだけはぜひ確認しておきたい‐‐という「チェック判定項目」とは……。(ビル中心)

1建物のデザイン、イメージ訴求力、表示性、適応性はどうか。

2設計フィロソフィー(哲学)があるか、設計者の資質はどうか。

3建物が建築諸法規に違反していないか(地元の役所で確認)。

4入居するテナントの主力はなにか、どんなテナント構成(テナントミックス)が中心なのか。

5テナントの相剰効果は期待できるか。

6建物の機能性は。

7客の導入性はどうか。

8通路、階段、踊り場、エレベーターなどの広さ、容易性、能力、幅、搬入性についてのチェック。地下の場合は、特に換気、水回り、漏水、排煙。さらに防水壁か、二重壁か。エレベーターは何店で使用するか。速度、収容人員などもチェック。

9非常時のチェックも忘れずに。防火シャッター、スプリンクラー、排煙口、煙感知器などのチェック。消防法規に適合しているか否か。非常時の脱出口。避難設備のチェックも。

10看板、案内板などの訴求力とその効果は。

11採光具合、照明設備のチェック。

12ショーウインドーの適合性。

13空調関係のチェック。冷暖房方式は、ランニングコストはどうか。パッケージはオーナーかテナント側か、吸気と排気のチェックも忘れずに。電気容量もチェック。

14給・排水のチェック。諸パイプの口径は、ドラムトラップは。汚水配管と雑排水管の分離はどうなっているか。カウンター、厨房内の防水、排水口は。水道、ガスパイプの口径は。

15手洗いのチェック。専用か共同か。新設、移設は可能か。男女別か否か、臭気抜きはどうなっているか。共同の場合、その管理、費用は。

次号はさらにこの続きをお届け……。

マーケティングコン

サルタント 戸田光雄

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