日本メディカル給食協会の沿革と事業の特色 制度の一元化図る
昭和63年7月、全国の大手を中心とした給食会社七三社が集まり、全員の総意をもって団体の設立を承認、翌平成元年1月、厚生大臣から社団法人設立が認可され、社団法人日本メディカル給食協会が正式に発足した。設立時の会員数は八二社であったが、平成6年3月1日現在では一〇七社で、この五年間の新規加入は四〇社、退会、会社合併による減は一五社であり、ネットで二五社の増となっている。年次別の会員数および受託施設数・病床数の年次推移は表(1)および表(2)のとおりである。受託先別内訳は表(3)のとおりである。
協会事業の目的は、患者に対する食事の提供について、研究開発、研修研鑚、実務指導等を行うことにより、その質の向上および効率化を図り、もって国民医療の発展に寄与することである。
この目的を達成するため、倫理綱領の制定、教育研修の充実、衛生管理指導、情報の収集と提供等を活発に展開することとしているが、事業内容の特色とするところは次の三点である。
一つは評価認定(マル適マーク)制度の実施である。そもそも当協会では設立以来、業界の自主規制、自主努力に基づく評価認定制度を設け、制度の普及定着化を図ってきたが、平成2年12月、財団法人医療関連サービス振興会が設立され、医療関連サービス業の統一的なマル適マーク(医療関連サービスマーク)制度が施行されることに伴い、制度の一元化を図るため、これに発展的に吸収されることとなった。
新制度への移行で、当協会は、認定の窓口として書類・実地調査事務および当協会評価認定委員会において基本審査を担当することになっている。
なお、現在、患者給食業務の医療関連サービスマークの認定事業者は八九社である。
二つ目としては、患者給食受託責任者の養成事業である。
法令により、業務を受託する事業所においては受託責任者を配置することが義務づけられている。
この養成のための講習について、当協会が唯一の実施機関として厚生大臣の指定を受けている。
資格認定を受けた受託責任者数は、現在四〇三五人に及んでいる。
三つ目には、代行保証の実施である。患者さんへの食事の提供が、火災、労働争議、業務停止等何らかの事情により困難となった場合に、受託業務の継続性を担保するために、あらかじめ協会がその代行を保証しておくという制度である。
当協会では、理事会社の協力による全国的な代行保証ネットワークシステムを確立し、緊急事態にも速やかに対応できる体制をとっている。当協会の代行保証制度は厚生省においても認知されており、現在、約二六〇〇件の代行保証を行っている。
以上のほか、会員各社の技術向上対策として、平成6年2月、厚生省はじめ関係団体のご後援のもとに、第一回治療食献立・調理技術コンテストを実施したが、この催しについては今後ともさらに充実発展を図っていく考えである。
((社)日本メディカル給食協会専務理事・堀籠章史)