冷凍米飯ここがポイント 冷凍米飯の使い方
冷凍米飯を食品工場で生産する際、メーカーにより製造工程は次のように異なる。
一、加熱工程 蒸米方式と炊飯方式の二通りがある。
蒸米方式……米を炊くのではなく蒸す方法で、米に余分な水分を含ませず一粒一粒を形よく残すことや、米の白度を充分に引きだすことが出来る。
炊飯方式……釜の中で炊く方法で米の内部まで味を浸み込ませることや、適度な粘りを持たせることが出来る。
二、調味工程 調味工程としては、あらかじめ調味液で炊き上げる方法、炊飯後調味する方法、これらを組み合わせた方法等がある。
冷凍米飯を加熱調理するには、次の四つの方法がある。
一、電子レンジによる加熱調理……マイクロウエーブにより商品の中心、外側を同時に短時間で加熱することが出来るため、冷凍焼おにぎりなどは加熱後も中心から外側に熱や蒸気が伝わりふんわりと仕上げることが出来る。使用上の注意としては、業務用の大容量(一〇〇〇W以上)の電子レンジは過加熱に注意しなければならないこと。また、たとえターンテーブル式であっても商品を並べる位置、並べ方によって商品全てが均一に加熱されるとは限らない点に注意が必要。必ず事前に何個(何袋)加熱する際はどんな並べ方で、何分が適当かを調べておかなければならない。
二、オーブンによる加熱調理……庫内の温度を上げることによる加熱方法で、表面をパリッとさせたいもの、こげ色をつけたいもの、余分な水分をとばしたいものなどに利用される。商品の外側から中心に熱が伝わるため、外側と中心の状態が異なって仕上がる。またファンの付いたオーブンは、直接熱風の当る場所とそうでない場所により、加熱の状態が異なるので、均一に調理したい場合は、直接熱風が当たらないよう、カバーをかける等の工夫が必要。
三、蒸し器による加熱調理……加熱した水蒸気による加熱方法でおこわなどモチ米を原料とした商品の加熱に適している。
四、フライパンによる加熱調理……短時間で均一に加熱することが出来る。強火で加熱することにより余分な水分、油分をとばすことが出来るため、特に炒飯などの調理に適している。その他冷凍米飯の取扱上の注意としては、
一、一度解凍したものは再び凍結しないこと。
二、全ての調理方法に共通して熱のかけ過ぎをしないこと。
三、一度の調理は、調理器具に適した量にとどめること。
四、保存状態が悪く、ダマになったピラフ等は、あらかじめバラ化した後に、調理すること。