飲食トレンド:中南米エスニック料理、ラ・エスコンディーダ
メキシコ料理の「ラ・エスコンディーダ」(東京都港区、03・3486・0330)は、「本物のメキシコ料理がない。あるのはテキサス生まれのメキシコ料理テックスメックスだけ」の声に奮起し、二年前、オーナー川合真嗣さんが全く未知のレストラン業をオープンさせた。
「知らないだけに、何でもメキシコから取り寄せ、店内のナイフ、フォーク以外すべて運んで来ました」椅子、テーブル、食器、床のレンガ、タイル、入口の扉にまで至る。こだわりは、調度品だけでなく、シェフ、ミュージシャンもメキシコ人。料理もサボテン、バナナの葉など調達が難しいが、チャンスがあれば揃え、あくまでもメキシコの味づくりをし、雰囲気も店名の“隠れ家”らしく洞窟風。こだわりが人にまで及んだことで「今、いちばんの悩みは、外国人雇用で派生する法律上の問題」という。
総数九〇席。平日六〇人位、週末にはアップし一三〇人。客単価六〇〇〇~六五〇〇円。客層は、二〇代からのビジネスマン、OL、外国人が三分の一になることもある。パーティーがよく入るが、適度に抑え個人客が入り易くしている。
「基本的にはメキシコ料理は辛くない」としているが、注文時、肉の焼け具合を言うように、「チレの程度をいうのが本場メキシコ式、辛い注文に、シェフは喜ぶ」という。メニュー総数はドリンク込みで約八〇アイテム。人気メニューは、アボカドディップ、干しエビのメキシカンスープ、エンチラーダス(鶏肉のトルティーリャ包み)、ポゾレ(豚肉とトウモロコシのスープ仕立て)など。
将来は、レストラン経営で得た仕入ルートを生かし、「規模の小さい店舗をチェーン化したい」としている。