ニンニク料理の繁盛店 「GARLIC JO’S」隠し味から無国籍のスターに
「GARLIC JO’S」(横浜市中区、045・662・9914)は、昨年10月オープン時月商四五〇万円を大きく上回る七五〇万円という実績を上げている。
「テーマをはっきりさせ、おいしく食べる」(奥津企久夫店長)をコンセプトに、一五年前から続いていたバーをリニューアルオープン。以前から好きだったニンニクをテーマに無国籍料理レストランとした。
ニンニクににおいは付き物。オープン当初、ニンニクの味を表に出さず、隠し味として使っていたが、「おいしいけどにおいが気になる。でもうまい」と客から客へ、においのクチコミは広がり、ファン層を増やしている。合わせて調理法も、ニンニクを前面に押し出したものにした。
風味豊かな「ニンニクをおいしく食べるには、煙草は禁物」だとして、店内では徹底した禁煙。
「月に二~三人帰る客もいるが、全体として、逆に増えている」という。
一日五キログラムも使うニンニクは、粒も揃い一房六粒ものの青森産を使う。オープン当初は、自分達で皮むきをやっていたが、今は、横浜南部市場を通し、皮をむいたものを、年間を通し安定供給できるまでになった。
「春の収穫したての味より、9月から冬場のものが辛味がなくうまい」という。
ニンニクのうま味を引き出す調理法として、「一時間ぐらい黒くなるまで炒め」て、香りとマイルドな味、コクを残したものを使い、次の日あとを引かないようにしている。
メニューは、ニンニクと唐辛子がコンビで使われており、全部で三八アイテム。5月にメニュー改訂をしたが、三アイテム新旧交替をさせた。
キャベツと牛肉ソテーをホウレンソウと干し海老ガーリックソテーに、蒸し鶏をスパイシーフライドチキンにしたところ、トリ料理では一、二位を争う人気メニューとなる。また、焼豚をエスカルゴのオーブン焼にしたが、すべて豪快なニンニク使いが受け、好評メニューとなった。もちろん旧メニューは、愛好者のため、時々おすすめメニューとして要望に応えている。
ビギナーへの店長おすすめメニューは、“二名様のおすすめメニュー”(オリジナルガーリックピザ、タコのスペイン風、メキシコサラダ、ガーリックステーキJO’S風、ニンニク焼飯)五八三〇円だ。
「他店でもよく知られたメニューを食べてもらい、味比べして欲しい。それからヘビーなものに入ってもらう」と、味に自信のほどを示す。
店舗は、カウンター一一席、テーブル一二席。客層は、大半が地元客で、平日八〇人、週末一三〇人を集客、うち八割が女性で占める。客単価二五〇〇~三五〇〇円。
「原則では、予約を取らないシステムです。待つ方も納得しないですし、予約時間までのロスも防げます」。
最近では、臭気を取り除く研究所と相談し、特注の特性活性炭フィルターを取り付け、排気面での近所迷惑もなくなり、「リピート客が確実に増えている。目指すものが伝わっている手応えあり」とする。