外食産業の廃棄物減量化を調査 1飲食店1日のゴミ排出34kg

1994.09.19 60号 4面

(財)外食産業総合調査研究センター(東京都千代田区、03・3262・2324)がこのほどまとめた「外食産業廃棄物減量化等対策事業報告書」によると、飲食店等の一店舗一日当たりの生ゴミ・残飯、紙類・包装材、びん・缶類のゴミ排出量は一五二・六キログラム(飲食店のみは平均三四キログラム)、廃油の排出量は一六・三リットル(同七・八リットル)であった。回収業者に回収費用を支払った一ヵ月当たりの平均支払額は一〇万三八二八円(同三万七九〇〇円)だが、業態によって大きく異なり、弁当・惣菜メーカーが四八万四〇〇〇円と最も多く、飲食店では西洋料理店が七万円程度と多い。

この調査は平成5年11月に飲食店、事業所給食、弁当・惣菜メーカー、給食センターなど業態別にアンケート調査票の郵送回収法により実施したもので、回収数は六一五店であった。

飲食店等(飲食店、事業所給食、弁当・惣菜メーカー、給食センターの全体)の廃棄物(ゴミ)の種類は九九%が「生ゴミ・残飯」で、「段ボール等包材」八三・六%、「缶類」七八・九%、「ガラス製びん類」七一・五%、「新聞・雑誌類」六九・九%、「プラスチック製品」六三・一%、「廃油」六一・六%と続くが「汚泥」を排出する店舗は一五・九%と少なかった。

ゴミの分別状況は分別しているが七四・一%、していないが二五・九%。分別区分は四六・八%が「可燃ゴミ・不燃ゴミ・粗大ゴミ」の三つに区分しており、二九・二%が「可燃ゴミ・不燃ゴミ・資源ゴミ・粗大ゴミ」の四つに区分し、一八%が「混合ゴミ・粗大ゴミ」の二区分で分別していた。

飲食店等が排出するゴミの一日当たり平均排出量は表2の通りであるが、ゴミの中では生ゴミが大半を占める。生ゴミ等の一日当たり排出量別飲食店等の分布をみると、四〇キログラム未満が六六・五%。一〇~二〇キログラムが最も多く一九・七%がここに分布し、ついで五~一〇キログラムに一六・五%、二〇~四〇キログラムに一六・二%、五キログラム未満一四・一%、四〇~六〇キログラム九・二%となっている。

生ゴミ等の一日当たり排出量が二〇キログラム未満の回答飲食店等が六割以上の割合を占める業種は、喫茶店八五・八%、そば・うどん店七四・三%、一般食堂六七・五%、焼肉店六三・六%、日本料理店等六二・五%、すし店六〇・一%であり、これに酒場等五二・四%、西洋料理店等五一・七%、中華料理店等四七・一%が続く。事業所給食の中には二〇キログラム以下のものもあるが、六割程度が六〇キログラム以上の生ゴミ等を排出し、弁当・惣菜メーカーと給食センターはその八割が一〇〇キログラム以上の生ゴミを排出している。

ゴミの保管状況は、「自店・自事業所内の専用保管場所」が四九・四%と最も多く、ついで「屋外の専用保管場所」三〇・六%、「厨房内の空きスペース」一二・一%、「店舗・事業所の前または裏の道路」九・九%、「商店街・商業ビルの専用保管場所」九・八%となっているが、飲食店が事業所給食、弁当・惣菜メーカー、給食センターに比べ、「厨房内」「道路」「倉庫等の空きスペース」等の比重が高くなっている。

ゴミの回収費用の負担状況をみると、「自社で全額を直接支払っている」のは回答飲食店等の六六・〇%、店舗等の「管理費にゴミ回収費用を含めて支払っている」が六・三%、店舗等の「管理会社と負担割合を決めて支払っている」のは三・九%、その他二一・一%で、その他のほとんどが地方公共団体による回収(無料)である。

ゴミの回収費用は表3の通りである。中華料理店、焼肉店、そば・うどん店、すし店、喫茶店、酒場等の一ヵ月当たりの支払額は一~三万円、一般食堂、日本料理店は四万円前後、西洋料理店は七万円程度であったが、事業所給食は一一万六〇〇〇円、弁当・惣菜メーカーは四八万四〇〇〇円、給食センターは一八万九〇〇〇円となっている。

ゴミ回収・処理上の問題点として挙げられている事項としては、「食材は一般的に過剰包装である」三八・一%、「日曜日、祭日に収集がない」三四・〇%、「食材納入業者が包材、廃油を引き取らない」二六・七%、「最初から分別する容器の置場がない」二二・二%、「業者はゴミの種類により引き取らない場合がある」二〇・一%、「分別は労力不足から負担が大きい」一八・四%、「リサイクルをしたいが情報がない」一八・〇%などが挙げられている。なかには「行政に長期的展望がみえず、自治体ごとの処理方法も違うので今後の見通しがつかない」一〇・八%という回答もあり、ゴミ問題は減量化が第一であるが、出たゴミに対してはより安全で安価な対応策を要望している。

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