お店招待席 「一龍屋台村&食ing劇場」東京・月島
地下鉄有楽町線月島駅から勝どき方向へ歩いて約四分。中央区立月島区民センターの南隣、清澄通りに面している。
切妻風のひさしに灰色の日本瓦、ナマコ壁。寄席か芝居小屋といった風情の店舗が目に入る。
看板に「一龍屋台村食ing劇場」とある。一龍屋台村といえば、東京・世田谷の喜多見に本店があり、元祖屋台村として広く知られた存在だ。
月島店は今年8月1日にオープン。店舗面積二一〇坪、客席数三三〇席の大型店で、従来の屋台村に劇場(ステージ)をプラスしたことに大きな特色がある。
ステージは高さ五〇センチメートル、縦四m、横六mほどの小さな空間だが、音響、照明も本格的なもので、毎日午後7時と9時の二回、三〇分ずつプロのタレントやエンターテイナーが出演して、観客を楽しませている。
通常価格で各種パフォーマンスが楽しめるというのは、来店者も大いに満足するところで、客のウケはよい。
ステージは入口からみて、右手奥に位置しているが、ステージがよく見えるようにという配慮で、階段状に一階席も設けてあり、ステージと一体化したフロアレイアウトになっている。
「歌、お笑い、モノマネ、手品といろいろありますが、すべてプロの人たちです。契約は三ヵ月単位ですが、客のウケが悪ければ、一、二ヵ月で打ち切りです。やはり楽しく食事をしていただくというのが大きな趣旨ですから、つまらなければ、プロダクションごと替えるということです」((株)一龍グループ専務取締役三浦愼治氏)
出演者の中にはホリプロ所属のエンターテイナーもいるというから、チャージを徴収しないといっても本格的なものだ。
屋台は、すし、おでん、ラーメン、焼き鳥、浜焼き、お好み焼き、和食大皿料理、中華料理など八業態で、縁日的雰囲気を訴求している。単品の中心価格は四〇〇~五〇〇円前後だが、二〇〇~三〇〇円台のメニューもラインアップしている。
メニューのチョイスはセルフサービスだが、伝票を持って屋台を回遊してメニューをオーダーすれば、料理は店のスタッフがテーブルへ運んできてくれる。
「慣れていない人はめんどうだと思うかも知れませんが、屋台の場合は食べたいものを目の前で作ってくれますし、会話も楽しめますから、一般のレストランにはないオモシロさがあるんじゃないでしょうか」(三浦専務)
客層はサラリーマン、OL、学生、カップル、グループ客、ファミリーとオールゼネレーションで、とくに土・日はファミリー客が増える。
一日の平均来客数は八〇〇人前後。客単価は三〇〇〇円。日商二三〇万~二四〇万円をキープしているが、近い将来はとバスでの集客も考えているので、売上げはさらに伸びる見通しだ。
人気メニューは焼き鳥、おでん、すし、浜焼き、大皿料理などだが、この食材コストは三五%。アルコールは生ビールからワイン、カクテル、サワー類までほとんどのものを揃えており、飲んでよし、食べてよしの運営形態。
姉妹店が品川、海老名、新潟、甲府にもある。
(しま・こうたつ)
今年8月1日オープン。大成建設所有の遊休地を借りての出店。二階付鉄骨組み平屋建て。店舗面積二一〇坪、二階付三三〇席の大型店











