施設内飲食店舗シリーズ 「新横浜ラーメン博物館」各所に縁日の雰囲気
新横浜駅から徒歩五分。今年3月にオープンした世界初のフード・アミューズメントパーク「新横浜ラーメン博物館」は、シンヨコの新名所だ。(株)新横浜ラーメン博物館(横浜市港北区新横浜、資本金一二〇〇万円、岩岡洋志館長)が建設したもので、施設は地上一階、地
コクのある濃厚な味、地元のラーメン党をもとりこにする
北国・札幌では常に行列のできる店として評判。北国特有のみそラーメンだけではなく、塩、醤油と三つの味をラインアップ。
・みそラーメン九〇〇円
・醤油ラーメン八〇〇円
・塩ラーメン八〇〇円
スープのコクと麺にこだわった正統派喜多方ラーメン
トンコツを主体に昆布、鰹節などと野菜でダシをとったコクのあるスープ。地元産の特注醤油を独自にブレンドしたタレ、独自の手もみ麺も地元製麺所の特注品。
具は上質のバラ肉を使った自家製チャーシュー。喜多方では広く知られた店だ。
・喜多方ラーメン八〇〇円
・ 同 大盛一〇〇〇円
料理としてのラーメン、スープと麺づくりにこだわる
地鶏と豚肉からとった白湯スープと、まぐろの削りぶしからとった和風スープとを独自の割合でブレンド。麺も自社工場によるもので、「料理」としてのラーメンを追求。
・げんこつらーめん七〇〇円
・豪快らーめん・塩九〇〇円
・ぎょうざ四〇〇円
こってりとした超濃厚スープ。ラーメン通もうなる背脂ラーメン
厳選したブタの背脂を使って作ったスープ。こってりとさっぱり味、豪快な味の中にもまろやかさがある。後味が残らず胃にももたれない。ラーメン通が支持する評判の店だ。
・中華そば七五〇円
・ネギそば九五〇円
・特製そば一二五〇円
今年3月オープン。世界初のラーメン博物館。地上一階、地下二階。「五感で味わうラーメン文化」が施設コンセプト。地下一、二階に全国の“激うま”ラーメン八店舗を展開している。
地下の店舗街はチキンラーメンが誕生した昭和30年初期の「夕焼けの下町」を忠実に再現したフロアで、ノスタルジアを感じさせる懐しいシーンが展開されている。日本の貧しくとも人々の心があたたかかった時代の街並みの再現で、老若男女ともによき時代のハートを感じ取ることができる。施設はとくに土・日は各地から観光バスがくるほどの大賑わいで、初年度は年間一二〇万人の入場数を見込んでいるが、すでに9月末の半年間で一〇〇万人の来館者があり、このペースで推移すれば、一年間で二〇〇万人は軽く突破する見通しだ。
本体の博物館は地上一階、地下一、二階を合わせ延床面積約七〇〇坪。比較的コンパクトな造りだが、施設内は各種のラーメングッズに加え、ラーメンの文化と歴史、映像情報、さらには全国の“激うま”ラーメン店八店舗を展開するなど、「五感で味わうラーメン文化」をコンセプトに、エキサイティングなアミューズメントゾーンを実現している。
〈フロア構成〉地上一階「ラーメンギャラリー」/エントランスから前面に進んだ中央フロアがメーンギャラリー、その突き当たり奥は全国の生麺(九〇‐一〇〇種=二五〇~一〇〇〇円)やドンブリ(三〇種=五〇〇~三〇〇〇円)、箸(六四種=二五〇~三八〇〇円)、Tシャツ(六種=二〇〇〇~二五〇〇円)などラーメングッズの販売コーナーだ。
ギャラリーはラーメンの歴史と文化を体系的に展示するとともに、日本最高のラーメンといわれる「黄門ラーメン」のレプリカや東京ラーメンのルーツといわれる店の再現、全国のラーメン店約三二〇店から集めた年代物のドンブリやおかもち、さらには製麺機、インスタントラーメンの開発の足跡とパッケージの変遷、パソコン検索できる全国のラーメン店三〇〇店舗余りのデータベースなど、ラーメンに関する知的好奇心を広角度で満たしてくれる。
地下一、二階「ラーメンの街」/内装費一〇億円をかけて再現した昭和30年代の街並みで、夕焼けの下町風景が郷愁を誘う。
地下一階は下町の小さな飲み屋街をイメージした造りになっており、回廊で一周することができるが、バーやクラブ、居酒屋、ラーメン店、駄菓子屋、民家、銭湯、交番などという施設を展開している。
これら施設はラーメン店の東京「げんこつ屋」、札幌「すみれ」、串焼き酒房「居酒屋雄蔵」、ショットバー「35ノット」、駄菓子屋「夕焼け商店」の五店のみが営業店舗で、他は模擬施設だ。
下二階が博物館(ギャラリー)と店舗、二階から七階までが管理事務所と駐車場というフロア構成で、ギャラリーはラーメンに関するグッズや情報パネルを展示するほか、全国の有名ラーメン店八店舗をはじめ、居酒屋、ショットバー、駄菓子屋など三店舗を展開する。
地下二階出店の東京「勝丸」(左)と横浜「六角家」(右)の激うまラーメン、(下)は東京の「げんこつ屋」
コクとうま味、甘みが同居する醤油スープとコシのある太麺
スープは豚のロース骨とゲンコツ、鶏ガラ、昆布から作る。スープに加える特製の鶏の脂は意外に淡白。港街のモダンな味。麺もかため、やわらかめと好みで選べる。
・ラーメン七〇〇円
・チャーシューメン九〇〇円
スープはトンコツを長時間煮込む。野趣味の九州ラーメン
トンコツを白濁するまで煮込むが、脂っぽくはない。さっぱりしていながら深味のあるスープで、最後まで飲みほせる。自家製の細麺もシコシコ歯ごたえがあり、スープとのコンビネーションは絶妙。
・博多らーめん六五〇円
・博多辛し高菜らーめん七五 〇円
女性にも人気のマイルドなトンコツスープ
味は九州スタイルのトンコツスープ。こってりとあっさり味、焦がしたニンニクチップも香ばしい。マイルドなスープは女性にも大人気。
・ラーメン七〇〇円
・王様ラーメン八〇〇円
・特製チャーシューメン一二 〇〇円
昔ながらの味にこだわった本物の醤油ラーメン
自然醸造醤油でつくるサッパリしたコクのあるスープ。特注の縮れ麺とからまって独自の味わいを生み出す。焼豚は味を落とさないために、つくり置きせず四時間ごとに作るのもこの店の売り。
・醤油らーめん七五〇円
・同バターらーめん八五〇円
・同コーンらーめん八五〇円
・同焼豚らーめん一一〇〇円
施設データ
・施設名/フード・アミューズメントパーク「新横浜ラーメン博物館」
・事業主体/(株)新横浜ラーメン博物館
・所在地/横浜市港北区新横浜二‐一四‐二一
・オープン/平成6年3月6日
・施設概要/敷地面積二八〇坪、地上七階、地下二階建て、博物館本体地上一階、地下二階、駐車場能力・一八〇台
・フロア構成/地下一階、「ラーメンギャラリー」、地下一、二階「ラーメンの街」(延床面積七〇〇坪)
・初年度年間集客目標/一二〇万人(9月末九〇万人=実績)
・営業時間/午前11時~午後11時(入場午後10時まで)
・定休日/毎週火曜日
・入場料/大人三〇〇円、小人一〇〇円(三ヵ月入場フリーパス一〇〇〇円、六ヵ月一五〇〇円)
・ラーメンダイヤル/045・471・0943
地下二階は約八〇坪ほどの広場を囲んでラーメン店をはじめ、薬局、洋装店、理髪店、パチンコ、映画館、出版社などが軒を並べている。
このフロアでも実際の営業店は、喜多方「大安食堂」、東京「野方ホープ」、東京「勝丸」、横浜「六角家」、博多「一風堂」、熊本「こむらさき」の六店舗のラーメン店。
他の施設はやはり形だけの模擬施設だが、広場の隅では縁日の雰囲気でラムネなど飲料水も売っている。
施設の造りといい、看板類やイルミネーション、全体のまとまりといい、映画の東宝(大道具部)が製作したというだけあって、リアリティがあり、即営業施設として使える感じだ。
ラーメン店は一店舗当たり店舗面積一〇~一二坪、客席二〇~三〇席の規模だが、メニュー単価は七〇〇~九〇〇円が中心価格で、街中の店と比べれば、一、二割高いという感じだ。売上げは一店舗当たり、平日三〇万~四〇万円前後、土・日六〇万~八〇万円前後(推計)。
ラーメンはメニュー単価に加えて施設への入場料が大人三〇〇円(小学生一〇〇円)、であるので、これをプラスすればラーメン一杯が一〇〇〇円前後はするということになる。
もっとも、入場料については「三ヵ月フリーパス一〇〇〇円」、「六ヵ月フリーパス一五〇〇円」の特典があり、これを利用すれば割高感は軽減する。
施設への入場者数は平日で三〇〇〇人、土・日で倍の六〇〇〇人で、この9月末(半年間)で約一〇〇万人を集客している。
初年度の年間目標は一二〇万人だが、上半期で目標の二倍近くの集客数ということで、年間トータルでは二〇〇万人は軽く達成する勢いをみせている。
来場者は地元横浜はもちろん東京方面、新幹線や観光バスで地方からもやってくる。すでに新横浜の“観光スポット”としての様相をみせている。