厨房のウラ側チェック(65)店舗衛生管理としてのネズミと衛生害虫(3)

1995.02.06 69号 17面

前号の最後にネズミの維持管理基準を述べました。今回はネズミの駆除から話を進めます。駆除を実施する時の共通事項としては、業者選択のポイントであります。

まず大事なことは登録業者の証明です。例えば、建築物における衛生的環境の確保に関する法律に基づく都道府県知事登録制度。社団法人日本ペストコントロール協会の会員法人であります。

次に、実際のペストコントロール技術者の能力の問題になります。この技術者の力により防除効果が著しく異なります。少なくとも三年以上の経験があった方が好ましく、あるいは大学で環境衛生学を修得した技術者が好ましいと思われます。ましてや、パート・アルバイトができる仕事ではありません。

では、ネズミの駆除について具体的に話を進めてまいります。駆除についても、維持管理基準同様、厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課から「ねずみ・衛生害虫等駆除指導指針」がありますので、その線にそって駆除法を述べます。

飲食店に被害を及ぼすネズミは、多くはクマネズミで天井裏などの高い所を占有しています。駆除の基本は整理整頓です。いわゆる、ネズミが住みづらい環境を作ることなのです。裏をかえせば、清潔な店舗、掃除を徹底することなのです。

次にやるべきことは、ネズミの数を減らすために、粘着シート、パチンコ(ハジキワナ)、およびカゴなどのトラップで生け捕りすることです。

それでもだめなら最後に、殺そ剤の使用です。使用法は二つあり、毒餌法と散粉法です。使用する殺そ剤は累積毒のワルファリンや急性毒のシリロシドなどです。しかし、飲食店においては好ましい方法とはいえません。

駆除法のテクニックにおぼれず、安全な方法で忍耐強く継続することが、ネズミ駆除の効果を期待させる唯一の最良の手段であります。そして、ネズミの数が減ったらネズミが侵入した場所などの防そ工事をするのです。あとは定期的に駆除を実施して清潔な環境を維持していけばよろしいのです。

定期的な実行をするためには、年間計画を立案することです。計画には駆除作業のほかに発生や被害調査、効果判定、レポート作成、地域ごとの調査による発生源地図なども作成するとよい。

次回は、ゴキブリの維持管理基準から始めます。

食品衛生コンサルタント

藤 洋

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