定着できるかファストフードのライスメニュー 目新しさ失ったときが課題

1992.07.06 7号 5面

ファーストフードのメニューが拡大している。ハンバーガーだけを柱にしたメニュー展開ではニーズにこたえきれず売上げに限界があるからだ。特にこの頃目立つのはライスメニュー。持ち帰り弁当をイートインする感覚だ。日本人はやはり米なのか、もの珍しさも手伝って好評のようだ。

マックチャオに続く第二のライスメニューとして「お昼のカツカレー」(六五〇円)を販売したのは、日本マクドナルド。5月20日から6月21日までの限定発売だった。数種類あった候補の中からカツカレーの販売に踏み切ったのは「クイックメニューとして手頃。万人ウケするメニューだから」(同社広報担当)とか。さてこの反応はどうだったのだろうか。「平日はビジネスマン、OL、学生がランチとして、休日は家族連れの利用が目立ち」、お客は、普段ハンガーガーを食べに来店する層で、特に客層に変化はなかったそうだ。

またお茶の水サンクレール店をはじめとする都内四店舗(6月15日現在)で、5月18日からモーニングタイムにおにぎりのテスト販売をおこなっている。鮭、たらこ、ツナマヨネーズの三タイプがあり、単品では一個一五〇円とCVSなみ。おにぎり二個に味噌汁とソーセージなどのおかずがつけば五〇〇円。全国販売も検討中だ。

ケンタッキーフライドチキンでも、チキンフィレカツカレー(六〇〇円)、焼きおにぎりを三〇店舗でテスト販売。「ライスメニューとはいってもチキン主体のコンセプトは変わりません」(同社営業担当)という。リピート客が目立つことからも次のメニューを試行錯誤している様子。

ファーストフードにライスメニューを取り入れた元祖といえば、モスフードサービスのライスバーガー。販売をはじめ、もう四年以上もたつ。「発売当初は米余りの時代だったんで、なんとか利用できないかと考えたんです」(同社広報室)なかでもヤキニクライスバーガー(三三〇円)、キンピラライスバーガー(三〇〇円)は人気メニューだ。今後もハンバーガーのスタイルでライスメニューを開発していくという姿勢だ。

まだライスメニューを販売していないファーストフードはどのようにとらえているのだろうか。ロッテリアの現在の新メニューはハムステーキバーガー(三三〇円)、7月からはかき氷(一六〇~一九〇円)を販売しているが「米を使ったメニューも研究中」(同社広報担当)という。

新メニューとしてピザ(四八〇円~)を販売しているのはファーストキッチン。ライスメニューには注目していますが、新メニューとして定着させるのは難しい一面はありますよ」(同社広報担当)。

各社ともコメによせる期待は大きい。この現象によりファーストフード、持ち帰り弁当、CVS、レストランなどの境目がなくなってきているといえよう。だが期間限定メニューでは目新しさでイケてもレギュラーメニューとしてはどうか。目新しさがなくなった時、どう客をひきつけるかが、課題になりそうだ。

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