やさしいおコメ減農薬栽培米「ささろまん」今秋お目見え

1995.06.05 77号 20面

宮城県が誇るササニシキは日本を代表するコメの品種だが、それだけに天候や病気・虫の害を受けやすく、なかんずく「イモチ病」にはたいへん敏感? で、この病気にかかりやすい、というのが宮城県としての頭痛のタネだった。

ササニシキのルーツは昭和38年(一九六三年)にさかのぼる。それ以来三〇年以上も宮城米を支える代表的な品種として消費者にこよなく愛され続けてきているわけだが、ひとたびイモチ病が発生すると大きな損害をこうむってしまうという難点を持つ。昭和51年(一九七六年)、これが大発生して壊滅に近い被害を受けていたことも記憶に新しい。

翌年の昭和52年(一九七七年)「イモチ病にかからないササニシキ」の開発がスタートしたのはむべなるかなの機運で、それからなんと一七年の歳月を費やして関係者の真摯な努力の結果、昨年の8月、いもち病を寄せつけないササニシキBLが誕生したわけである。

もちろん病気には強いが味はまったくササニシキであることはいうまでもない。

これに“愛称”をつけてもらおうということになり、宮城県が中心になってつくられている宮城米マーケティング推進機構が昨年10月17日から全国に呼びかけて愛称募集を開始した。

これには、海外在住の日本人を含めて三万三〇〇九点の応募があって昨年11月末で締め切られたが、広く親しまれているササニシキのよさを受け継ぎながら、さらに飛躍をしようとするおコメとして、呼びやすさ、聞きやすさといった言葉のもつ好感度などをイメージの基準として選ばれたのが「ささろまん」だった。ちなみに名づけ親はくしくも宮城県岩沼市の長田小百合さん。減農薬栽培米にふさわしいニックネームといえそうである。

なお同県では、この「ささろまん」のほか平成3年(一九九一年)の発売以来、親しみやすいネーミングと味の良さで人気急上昇中のひとめぼれをはじめ、こころまち、チヨホナミ、トヨニシキなど多彩なコメづくりを展開しており、さらに、ひとめぼれのBLの開発も着々と進められている。

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