「エスニックパン」ふじもと、ユダヤ人の主食パン「ベーグル」が女子大生にファン

1995.07.03 80号 2面

(株)ふじもと(東京都大田区、03・3732・6414)は、ユダヤ人の主食パンである“ベーグル”を七年前から輸入販売していたが、昨年7月、東京・広尾にアンテナショップとしてイートイン、テークアウトの「ベーグル広尾」を開店した。

七年前には、軟らかく口当たりの良いパンが主流にあり、「ベーグルはとっつき難く、味がまずい」とパンメーカーから敬遠されていた。しかし、現在では、菓子パン的に甘く軟らかいものより、噛みしめて味わうベーグルのファンが次第に増え、「アメリカで食べたのと同じ」とか、カロリーが一個(八〇g)で一九七と低いため、「ダイエットにぴったり」との声も聞かれるほどになった。

もともとユダヤ人の主食であったベーグルは、アメリカのセントルイスでホームベーカリーとしてスタートしたペトルスキーが研究・開発し、今の味と品質にしたもの。

小麦粉と少々のイースト、イースト活性化のため微量の砂糖、そして水以外何も使わないため、小麦粉の質が問われ、最上質の粉を使う。このため日本国内での生産は難しく、ペトルスキー社から日本へは、(株)ふじもと一社のみ輸入されている。

「五年後の小麦粉自由化で状況は大きく変わるでしょうが、本物の味は国産では無理です」(藤本恵子常務取締役)という。

アメリカ・ペトルスキー社から一個ずつ成型し冷凍状態で入って来たベーグルを、店舗では、まずホイロで温度四〇℃、湿度九〇%にセットし発酵するのに一時間、発酵したベーグルに艶出し用として溶き卵を塗り、一六〇℃のコンベクションオーブンに入れて一三分、こんがり焼けたベーグルができ上がる。

「生地は生きもののため、その日の温度、湿度で変化する。完全に勘を養うのに三ヵ月は必要」という。

広尾という外国人が多い土地柄からスンナリ受け入れられ、近くの聖心女子大学の学生にはランチ御用達の店として定着している。

種類は、プレーン、シナモン、ブルーベリー、オニオン、シナモンレーズンなど一八アイテム(一三〇円~一五〇円)を置き、プレーン、ブルーベリー、シナモンレーズンが特に人気が高い。

ベーグルとホイップしたクリームチーズの相性が良く、これを塗ったサンドイッチもランチの人気者だ。

高い人気順に、スモークサーモン四三〇円、特選ポークハム二六〇円、ピザベーグル一五〇円、ブルーベリージャム一五〇円、ネギミックス一五〇円、新製品のエッグサンド三八〇円がある。

女子大生たちは、「カロリーが低い、ダイエット中なので、食べて歯応えがありおいしい」と、新しい味のベーグルが、お気に入りだ。

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