新感覚の観光スポット 長野・善光寺外苑西之門 酒蔵見て吟醸酒楽しむ

1995.07.17 81号 10面

【長野】善光寺の門前にほど近い西之門町に酒造りを見て、食事や吟醸酒が楽しめる観光スポット「善光寺外苑西之門」が誕生、沈滞気味の観光に弾みをつけ注目されている。

新しい感覚で善光寺周辺の街づくりを実践したのは、長野市で清酒「雲山」や味噌造りをしている(株)よしのや(長野市、0262・37・5000、藤井一章社長)。

リストラを考えての「西之門」は、同社敷地の一部(約一八〇〇平方メートル)を利用。レンガ敷の中庭を挟んで見学のできる酒造工場、食事や吟醸酒を楽しめるシャレた洋風のレストラン、郷土料理の鬼無里村のおやきの販売店、みやげ用の酒、味噌のほか藤井家が所蔵する骨董品の展示もある直売店を配し、メルヘンチックな雰囲気が楽しめる。

土蔵造りの酒蔵の入り口二階部分は、昔の蔵をそのまま生かしたオープンスペース。一・五mほどあるびんと生け花であしらい、続く酒造工場は原料処理からびん詰めまで完全オートメーション。搾りたての吟醸酒を試飲できる見学コーナーには、朱塗りの古い搾り器が置かれ酒造りのすう勢を感じさせる。

レストラン「さくら」は、ガラスが天井まで広がるヨーロピアンタイプの二階建。七二席を配し「さくら弁当」(一八〇〇円)、名物の信州そば「熱々そば」(一二〇〇円)、搾りたての冷えた吟醸酒「西之門」などを味わいながらゆったりと広がる中庭、ミスマッチの建物がタイムスリップ感覚を演出させる。

土蔵造りの店舗には、伝説の里(鬼無里村)から「おやき」のいろは堂が出店。四季の野菜、山菜、キノコなどの素朴な味を提供している。

直売店では、大吟醸、純米酒、味噌の販売と豪商の家を模した広間には大福帳、古いそろばんがおもむろに置かれ、藤井家所蔵の品々(骨董品など)も一見の価値がある。善光寺門前から西へ五〇m。

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