料理人の愛用食材:「老虎菜」花田剛章店主 三明物産「ピーシェントウバンジャン」

2013.04.01 409号 12面

 ●味のベースとなるコクと風味

 神戸にある「老虎菜(ラオフーツァイ)」は、新進気鋭の料理人として注目されている、花田剛章氏が経営する中国料理店。おいしさと楽しさとともに、驚きも感じられる料理で、ファンを増やしている。

 「香辛料で味の強弱をつけることで、“記憶に残る味”を提案したい」と言う花田店主が、「これなしではダメ」というほどに重宝しているのが、「〓県豆瓣醤(ピーシェントウバンジャン)」。一般的な豆板醤に比べ、黒っぽい色合いで、長期間の発酵を経て、うま味と香りが凝縮されているのが特徴である。

 「この商品は、赤い豆板醤よりもまろやかで、辛味がたたない。料理に、コクと風味を出すためには欠かせないもの」。辛さは、唐辛子の粉などでも補える。この商品をそのまま使用して辛さを追求するのではなく、新たな調味料へとアレンジしているのが同店の工夫である。

 同商品に、日本酒と辛味が強い別の豆板醤を合わせて、さらに発酵させて味を落ち着かせる。その過程を経ることで、より理想の味に近い料理のベースとして仕上がるのだ。調理では、料理に合わせて適量を使用。例えば、麻婆豆腐1人前ならば、大さじ1杯ほどを使用し、味を調える。

 目指すのは、あまりに奇をてらったものではなく、日本人の口に合う中国料理。今後も同商品を活用し、メニューの完成度を高めたい考えである。

 ●プロフィール

 花田剛章(はなだ・たけあき) 「老虎菜」(ラオフーツァイ)店主

 1976年山梨県生まれ。高校卒業後、辻調理師専門学校入学。95年、ホテル第一堺入社、中国料理レストランにて2年間勤務。その後、神戸市内や香港・台湾でのレストラン勤務を経験し、帝国ホテル大阪の中国料理ジャスミンガーデンにて3年間勤務。神戸市・吉芳(きっぽう)に5年間勤務後、2009年に「老虎菜」開店。

 ●店舗情報

 老虎菜(ラオフーツァイ) 所在地=神戸市東灘区魚崎北町5-7-15

 ●商品紹介

 「〓県豆瓣醤」(ピーシェントウバンジャン)

 三明物産(東京都江東区)

 3年以上熟成しうま味を凝縮

 中国四川省産。別名「黒豆板醤」ともいわれ、最高級品として重用されている。厳選したソラマメと、辛味は、四川特有の味を持つ唐辛子・二荊条辣椒のみを使用し、3年以上寝かせて熟成。凝縮されたうま味と、食欲を誘う香りを醸す。常温保存。

 ※同社ホームページより

 規格=1kg

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