注目ラーメンチェーン:「濃厚鶏白湯 麺屋雷神」 1日16時間勤務で学んだド根性経営
●留学来日から修業を経て独立起業 低投資・低リスクで多店舗化に拍車
「濃厚鶏白湯 麺屋雷神」は、2009年の創業以来、のれん分けでグループ12店を築いた新興チェーン。生クリームを活用した濃厚かつ滑らかな鶏白湯スープを売り物に着実に多店舗化しているが、それよりも注目すべきは、開業資金500万円以内、目標月商100万円以上という、低リスクで確実に利益を得る、手堅いビジネスモデルだ。
この経営方針は、中国人留学生として来日し、ラーメンの世界に飛び込んだ大下智也社長(09年帰化)の修業経験に基づく。大下社長は来日後、ラーメン店でアルバイトを始め、店主のラーメンに対する情熱に感銘を受け、修業と独立を決意した。1日14~16時間勤務し、休日は月1日。6年間で資金を貯めて09年、東京・練馬に夫婦2人で独立開業した。
「立地や店作りに頼ってはダメ。店舗のスペックよりも情熱と努力が大切。ラーメンは情熱と努力を裏切りません」と言い切り、「まずはマイナー立地・10坪・15席くらいで十分。夫婦2人で一生懸命働けば、月商100万円でも利益35万円は出るはず」と説く。
とはいえ、無風立地や居抜き物件などの情報収集には周到。着実な成功をモットーに各店主の持ち味を育み、ほとんどの店を月商200万円以上の繁盛に導いている。また、そのド根性経営に魅了された独立希望者が後を絶たず、本年も12店の新規出店を予定している。
日本人が忘れかけているド根性論を地で行く大下社長は、「ラーメンは日本の誇り。その誇りを胸に働けるのだから苦労はない。独立希望の方にはその気概を抱いてほしい」と強く語る。
いずれ中国で凱旋出店するなど、海外出店にも乗り出したい考えだ。
●店舗情報
「濃厚鶏白湯 麺屋雷神」
経営=福生
所在地=千葉県松戸市稔台1-11-4(ほかグループ11店舗)
営業時間=午前11時~午後2時30分、5時30分~翌午前0時(土・日・祝は午前11時~翌午前0時)、水曜定休